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中国産リスク、食も衣も

先進4社の共通解、「現地確認」抜きではもう売れない

  • 戸田 顕司, 池田 信太朗, 飯泉 梓

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2007年8月22日(水)

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 食べた犬や猫が死亡したペットフード、米政府が人体への有毒懸念があるとした歯磨き粉、発ガン性物質が検出されたウナギ…。

 米国に続き、この夏、日本でも“危ない中国産”のニュースが続々と流れ、消費者の不安が高まった。原料や生産を中国に依存する企業にとって新たなリスクへの対応が急務だ。そうしたリスクに対応してきた企業には共通点がある。それは、現地での確認を徹底する仕組みを築いてきたことだ。

吉野家、安全性を周知

騒動が続く中国産食品

 牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーは7月、初めて鰻丼の全国販売を開始した。その直後、群馬県で中国産冷凍ウナギから合成抗菌剤が検出され、消費者の不安が一気に高まる。吉野家は販売開始前日に各店舗へお客からの問い合わせに対応する想定問答集を配布、まず店舗で働く人々に商品の安全性を周知させていた。店舗で来店客に説明できる体制を整えることで不安の払拭に努めた。

 吉野家は「商品の安全性に不安はなかった」(小山田宗冬・商品部長)と自信を示す。商品担当者自らが現地に足を運び、生産の状況を確認しているからだ。

 合成抗菌剤が検出された中国産ウナギの輸入業者は「中国の養鰻場は抗菌剤を塗布していないと言っている。恐らく、もともとウナギを養殖している池が汚濁していたのではないか」と事情を説明する。一方、吉野家にとって、こうしたリスクは想定範囲内のことだった。同社が鰻丼に着目したのは2004年のこと。3年間、季節限定商品として実験したうえで投入した。

 商品開発担当者は取引に当たって、養鰻場に問題がないか、更地の状態で確認する。与えるエサについても飼料工場を見回っている。さらには、中国の食品衛生局や日本の厚生労働省とは別に、ウナギの健康状態や商品の衛生状態を独自で検査する。自社規定に合わない薬物などが見つかれば、その場ではじく。

 こうした調達の仕組みがあったからこそ、来店客に対して安全性を説明できた。吉野家の見込み通り、鰻丼は好調で、8月上旬には品切れで鰻丼を終売する店舗が相次いだ。

ニチレイ独自の認定工場制度

 「安全のために、もっと中国メーカーとの協力関係を強める必要がある」。今日のような事態が来ることをまるで見越したかのように行動しているのが、冷凍食品メーカーのニチレイフーズだ。今年5月に冷凍野菜を委託製造している中国や台湾のメーカー9社と「日冷蔬菜会」を立ち上げた。委託先を絞り込んで品質管理を徹底すると同時に、ニチレイ独自基準による「認定工場制度」を導入するのが狙いだ。「長年の取引による信頼関係だけでは、甘えにつながる恐れもある。我々が求める基準を徹底していく」とニチレイフーズの森康益・品質本部長は説明する。

担当者が実際に畑を見に行き、畑の状態や農薬の散布状況などを確認する

担当者が実際に畑を見に行き、畑の状態や農薬の散布状況などを確認する

ニチレイフーズが製造する冷凍食品は文字列で生産委託先や畑などを特定できる

ニチレイフーズが製造する冷凍食品は文字列で生産委託先や畑などを特定できる

 ニチレイフーズは過去に中国産冷凍ホウレン草で苦い経験がある。2002年に食品衛生法の基準を上回る残留農薬が検出され、関連する商品の販売自粛を迫られたのだ。その反省から農薬について「使わせない」「持ち込まない」「追跡・排除できる」という3つの原則の実現に力を注いできた。

 一例が、冷凍食品の袋に印刷されている文字列だ。「2008.12.25/GS 02G08 1 T1」。最初の数字は賞味期限。残りの英数字は車番や生産ライン、集荷担当者を特定するためのコードだ。これをたどっていけば、農薬や肥料の使用状況などの情報を入手できる。

 トレーサビリティー(生産履歴の管理)の体制を整える狙いは、問題の解決に役立てることにある。いくら品質管理に気を配っても「独自検査で、使用を認めていない農薬が検出されることはある」(ニチレイフーズ)。問題が生じれば、担当者が現地に出向く。すると、隣の畑の農薬が飛散したといった実態が分かる。こうした情報を日冷蔬菜会で共有し、リスク低減を図る。

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