• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

伊勢丹、三越に求めた2条件

銀行の“最後通告”から始まった統合劇

  • 田中 陽,戸田 顕司,池田 信太朗,飯泉 梓

バックナンバー

2007年8月29日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 銀行に白旗を揚げさせられた三越、そこにしたたかに攻め込もうとする伊勢丹――。

 百貨店業界4位の三越と5位の伊勢丹による経営統合劇を一言で表すとこうなる。

 「6カ年計画がわずか3カ月でおぼつかなくなるなら、残りの期間の計画は何の信頼性もない」。6月下旬、三越が発表した2007年3~5月期(第1四半期)の結果に、機関投資家などは厳しい批判を三越に向けた。

 大手百貨店の中で営業利益率が1%台と最も低い同社は「三越ブランドルネサンス」と称する6カ年計画を今年3月からスタートさせた。ところが第1四半期で早くもつまずいた。営業利益は11億2200万円、前年同期比で61.7%減と苦戦。第2四半期に入っても厳しい経営環境は変わらない。日本橋本店の改装(2008年)、銀座店の大幅増床(2009年)、そして大阪への出店(2011年)を経て新生三越を思い描いていたが、実現性が危うくなってきた。

三越・伊勢丹連合は売上高トップだが、営業利益率は見劣りする

 この業績不振に大きなショックを受けたのがメーンバンクの三井住友銀行。三越はこの10年近く、経営再建策を幾度となく打ち出したが、未達成の山を築いただけ。三井住友銀行は昨年末、三越に実現可能な再生計画を強く求めた。こうして出来上がった6カ年計画のはずだったが、わずか3カ月も持たなかったのだ。

しびれ切らした三井住友銀行

 三越が創業間もない頃から手がけた両替商が、後に三井銀行(現三井住友銀行)へと発展した。当然、親近感はある。同行首脳は「(三越には)問題点はあるが、まだ問題企業ではない」と比較的、温かい目で見守ってきた。

 しかし、遂に強権発動に打って出た。その指揮官は旧三井銀行出身、三井住友フィナンシャルグループ社長で、三越の社外取締役でもある北山禎介氏とされる。三井住友銀行首脳は「三越がご自身で決めたこと」と話すが、複数の関係者によると、三越が6カ年計画のスタートダッシュに失敗した頃、三井住友銀行が三越に対して「伊勢丹と組んで再生を果たすべき」とのプランを示したという。メーンバンクの意図は三越も分かっていた。

武藤信一・伊勢丹社長(左)は持ち株会社の会長に、石塚邦雄・三越社長(右)は社長に就任予定

武藤信一・伊勢丹社長(左)は持ち株会社の会長に、石塚邦雄・三越社長(右)は社長に就任予定 (写真左:長谷亨、右:清水盟貴)

 事実上の最後通告だった。三越の石塚邦雄社長は伊勢丹の武藤信一社長と定期的に会合を持ち、三越相談役の中村胤夫氏と伊勢丹会長の小柴和正氏とも20年近い交友関係がある。首脳同士の親和性が高く、交渉が進めやすい土壌があった。ちょうど同じ頃、北山氏は親しい取引先にこんな発言をしている。「日本の百貨店は独特な商慣習がある。海外の百貨店や(百貨店経営を知らない)ファンドなどが手を出せるものではない」。

 三井住友銀行には流通企業の再建で苦い経験がある。大口取引先のダイエーは、自主再建にこだわって迷走した。三越が自主再建を貫くことで、ひいては自身の企業価値を損ねることを懸念したのだ。三越の不動産価値に目をつけたファンドも、固唾をのんで見守っている。三井住友銀行は三越ブランドを守るためには伊勢丹の力を借りることが現状では最善の策と判断した。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏