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欧州シェア倍増へ“3本の矢”

シャープが「2cmテレビ」発表を遅らせた理由

  • 田中 成省

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2007年9月11日(火)

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IFAでシャープが配布した特大紙袋。主力の46型液晶テレビの実物大で注目を集めた

IFAでシャープが配布した特大紙袋。主力の46型液晶テレビの実物大で注目を集めた

 「私の体より大きいわ」と笑い出す女性の横で、「ここはシャープのブースじゃないぞ」と冗談交じりの野次が飛ぶ――。韓国サムスン電子や蘭フィリップスの液晶テレビ展示ブースを、シャープの液晶テレビ「アクオス」が、来場者と一緒に我が物顔で歩いたのだから無理もない。

 これは8月31日からドイツ・ベルリンで開催された世界最大級の電化製品見本市「2007年国際コンシューマー・エレクトロニクス展(IFA)」での1コマだ。見本市の会場では、出展企業が自社の宣伝を兼ねて、パンフレットを入れる手提げ袋を配ることが多い。ただ、シャープが用意した袋は、アクオス46型の実物大。縦が約70cm、横も約1m10cmという特大サイズだ。商品写真が実物大で印刷してあるから、ライバル社のブースをアクオスが闊歩しているように見える。注目度は抜群だ。

 会場の中だけではない。展示会場に近いテーゲル空港では、1辺の長さが約15mで観光バスより長い巨大なアクオスの看板が、世界各地から到着した来場者を待ち受けていた。「シャープは気合いが入っている。IFAを欧州での決意表明の場にしているようだ」。日本の家電メーカー幹部はこう受け止めた。

片山幹雄社長は体力勝負を避けながら欧州でのシェア拡大を図るという

片山幹雄社長は体力勝負を避けながら欧州でのシェア拡大を図るという

 まさにその通り。「今のままのシェアでいるつもりはない。3年後をメドに(欧州での)シェアを12~15%まで持っていきたい」。シャープの片山幹雄社長はIFAの会場で言い切った。

 シャープは日本での液晶テレビ販売シェアが47.8%(2007年1~6月、ディスプレイサーチ調べ)とトップ。全世界でもシェア12.4%(同)で、サムスン、ソニーに次ぐ3位につけている。ところが欧州でのシェアは6.7%(同)止まりで、存在感は小さい。そのシャープが、世界最大の市場である欧州でのシェア倍増を宣言した。

「世界でもここだけ」の新工場

欧州でのシェア向上に本腰

 シャープは今後、3つの切り口で欧州での販売拡大とシェア向上を図る。まずは、コスト競争力を持った生産体制の整備だ。欧州でも薄型テレビの価格下落は進んでおり、「今年の価格下落は想定を10%以上、上回るペース」(日系電機メーカー)。シャープは、ポーランドに欧州2番目の工場として建設した新工場で市場に対応する。1月から半製品の生産を開始、7月からは完成品までの一貫生産が始まっている。

 シャープの新工場と言えば、2010年の操業を目指して大阪・堺に液晶工場を建設すると7月31日に発表したばかり。ガラスやカラーフィルターなど、液晶テレビ製造の“前工程”に当たる工程の部材メーカーが同じ敷地に進出することが話題になった。

 対するポーランド工場は、液晶テレビのバックライト関連など“後工程”に相当するメーカーを敷地内に誘致した。バックライトの拡散板などを製造する住友化学、ベゼルと呼ばれる枠などを手がける天昇電気工業など、日系大手だけでも7社に上る。後工程の集約は、「日本でやりたくてもできなかった。世界でここだけ」(片山社長)の新方式だ。

 後工程のメーカーを敷地内に誘致した意味は大きい。これまで欧州市場には主にスペイン工場で組み立てた製品を供給していたが、市場の変化への対応では課題を残していた。市場の拡大に商品供給が追いつかず、日本などから半製品や部品を空輸することも多くなっていたという。「船便だと到着まで1カ月半が必要。機会損失を生むだけでなく、市場での価格下落も進む。空輸だと1週間だが利益は大幅に減る」とシャープの幹部は言う。

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