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値下がりリスク、保証していない

米ムーディーズCEO、不作為の罪に反論

2007年9月20日(木)

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 世界景気への波及が懸念され始めたサブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題。その激震をもたらした一因に、ローン債権を裏づけにした証券化商品への格付けの問題があるとの批判が強くなっている。証券化商品への格付けは適正なのか。米大手格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービス社長兼COO(最高執行責任者)、ブライアン・クラークソン氏に聞いた。

 サブプライムローン債権を裏づけにした証券化商品の格付けはいつから始めたのか。そして、今は重要な事業になっているのか。

 昔はサブプライムという言い方はしていなかったが、これが初めて登場したのが1991年だった。我々はそれ以来、格付けをしているから商品としては、決して新しいものではない。

 証券化商品市場は、かなり大きく成長すると見ている。ただ、(住宅ローン債権を裏づけに作る)RMBS(住宅ローン担保証券)や、(それを複数まとめ、裏づけ資産にして組成する)CDO(合成債務担保証券)に対する格付けで言えば、当社の総収入に占める割合は6.5%で、決して大きくはない。

意図しない使い方をされた

 だが、サブプライム問題の深刻化とともに格付けに対する不信感が広がっている。証券監督者国際機構(IOSCO)が格付けの適切性を分析するといった動きもある。

ブライアン・クラークソン(Brian  Clarkson)氏

ブライアン・クラークソン(Brian Clarkson)氏
ムーディーズ・インべスターズ・サービス社長COO。1991年、ムーディーズ入社。仕組み金融部門を歩み、今年8月から現職 (写真:柚木裕司)

 当局は、市場で何が起きているか、それから格付けは、何を意味しているか誤解がないようにするために、今後、どういったステップを取っていけばいいかについて見ていくのだと思っている。

 格付けが意味するのは、与信に対する焦げつき、つまり(ローン利用者が)支払い不能に陥った場合に損失がどうなるかといったこと。言い換えれば(証券化商品の)元本と金利の支払いに対する信用度を示している。

 ところが、ヘッジファンドや(金融商品の時価評価を常に行って自社の資産価値などに反映する銀行など)ほかの投資家が、格付けを利用するようになった。価格の変化、変動率によって資産価値を算定する際に使っているが、そういった使われ方は、決して我々が意図したわけではない。

 値下がりするかしないかの格付けをしたわけではないということか。

 証券化商品を買った投資家が売却しようとする際に、今回の出来事で買い手がつかず、流動性がないために、思った値がつかない。そのために、(ヘッジファンドや銀行などに)大きな損失が出ている。その意味で(投資家に)誤解があったやに思っている。

 例えば、米ベアー・スターンズ傘下の2つのヘッジファンドは破綻した。が、そのヘッジファンドが持っているトリプルAとダブルAの証券化商品は、満期まで保有すれば損失を出すことはない。元本+定期的な利払いを受取利息として回収することができる。格付けで示しているのは、満期まで保有した時の元本と金利の信用度なのだ。

 (ヘッジファンドなどは)それらの証券化商品のレバレッジを10倍かけたことによって、小幅な価格変動で大きな影響を受けることになった。そこに落とし穴があったと考えている。

流動性のランク付けを検討

 しかし、もともと信用力の低い人たち向けの住宅ローンを裏づけにした証券化商品(RMBS)の中の、さらに格付けの低い部分をまとめて別の証券化商品にしたもの(CDO)でさえも高い格付けがついたことで安心した投資家がいることも確かだ。

 格付けの性格については答えた通りだ。ただ、一方でいかに対応するかということで、今、我々は新しい商品の開発を検討中だ。これは、売買の流動性の低い証券の価格を算定するための指標となるランク付けのようなものだ。やってみないと成功するかどうか分からないが、(市場での売買がしやすいかどうかなどを示す)流動性のランク付けをしてみたい。

 仮にある証券が、元本と金利の信用力でトリプルAの格付けになっていたとしても、流動性のランク付けでは低いという可能性はある。これを来年上期には出したいと考えている。

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「値下がりリスク、保証していない」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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