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消費税を上げるな

甘えを温存する財政出動では地域間格差は解消できない

  • 谷川 博

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2007年9月19日(水)

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地域間格差の是正は次期政権の大きな政策課題だ。参院選大敗を受けて、自民党内では地方交付税の増額など国の財政出動を求める声が日増しに強まっている。だが、埼玉県志木市長時代に“改革派市長”として鳴らした穂坂邦夫氏は、「国の財政出動では格差問題の根本的な解決にならない」と指摘する。
(聞き手は日経ビジネス オンライン記者=谷川 博)

穂坂邦夫(ほさか・くにお)氏    前埼玉県志木市長

NBO 次期政権では地域間格差の是正が大きな政策課題になっています。穂坂さんは埼玉県志木市長の任期中に行政改革を推進し、「改革派市長」として名を馳せました。現在は、NPO法人(特定非営利活動法人)代表として地方自立の課題にも取り組んでいます。その穂坂さんの目に、今の格差論議はどのように映っていますか。

穂坂 地域間格差が顕在化しているのは、ある意味、必然とも言えるのです。

 もともと地域間の格差は存在していたのですが、これまで国が地方に莫大な地方交付税や公共事業費などを投じてきたので、その格差が今ほど目立たなかっただけのことです。しかし、小泉改革で地方交付税や公共事業費などを大幅に削減したことで、それが一挙に顕在化したのです。

 ちょうど、川の水量が多い時には川底の様子は分かりませんが、川の水量が減ると川底のデコボコが見えてくるのと同じ現象です。「それならば、川底のデコボコが見えないように、再び川の水量を増やせばよいではないか」と思うかもしれません。しかし、事はそんなに単純ではありません。

 何しろ、今や国の借金は1000兆円近くにも達しているのですから。1990年代末に政権を担った小渕(恵三)内閣が景気浮揚策として地方に公共事業費を大盤振る舞いしたことで、国の借金が一気に膨らんだのです。小泉(純一郎)内閣でなくても、以後の政権が財政を切り詰めようと考えるのは当然だったのではないでしょうか。今後の政権でも、その状況に変わりはありません。

 問題は、これまで国が格差是正の抜本策を講じることなく、漫然と公共事業費を地方にばらまくなどして、格差の存在を「隠してきた」ことにあるのです。要するに、“事実の隠蔽”と“問題の先送り”に、事の本質があるわけです。

地方交付税の増額は格差問題の解決にならない

NBO 最近、地方自治体からは交付税増額などを求める声が強まっています。しかし、それでは格差問題の根本的な解決にはならないわけですね。

穂坂 ええ。現在の地域間格差には税収格差のほか、産業格差、購買力格差、大学教育格差、人口構造格差、医療福祉格差など多様な問題が含まれています。交付税増額は、直接的には自治体間の税収格差に対応するものです。

 自治体がその増えた交付税を多様な格差を是正するために有効に活用してくれればよいのですが、下手をすると自治体が息をつくだけで、問題は一向に解決しないという事態になりかねません。交付税増額で役所だけが生き延びても、地域の産業や医療などが滅びてしまっては何にもならないのです。

 しかも、本来なら今の局面で国は交付税を増やすことはできないはずです。既に、国は地方交付税特別会計で莫大な赤字を抱えています。国の財政健全化を考えれば、やはり今後も交付税は減らしていかざるを得ないでしょう。

 それに、すべての自治体が一様に交付税の増額を望んでいるわけではありません。現に、「行政経費を減らしたい」と考えている首長さんは大勢います。私は志木市長時代に「市町村サミット」を主催したのですが、その会合に出席した真面目な首長さんらはこんな切実な願いを持っていたのです。

コメント37件コメント/レビュー

国や自治体で行われる事業が錯綜していることが、元を辿れば様々なところに金を落とすシステムになっていたのでしょう。そのやり方には始めから無理があったのだ、という話だと思います。そう考えると、これから先コロコロ政権が変わってしまう可能性に不安を覚えます。野党にしろ、与党内部にしろ、メディアにしろ叩くべきところを間違えないで欲しい。安部政権への批判は本当に的を得ていたのだろうか。(2007/09/25)

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国や自治体で行われる事業が錯綜していることが、元を辿れば様々なところに金を落とすシステムになっていたのでしょう。そのやり方には始めから無理があったのだ、という話だと思います。そう考えると、これから先コロコロ政権が変わってしまう可能性に不安を覚えます。野党にしろ、与党内部にしろ、メディアにしろ叩くべきところを間違えないで欲しい。安部政権への批判は本当に的を得ていたのだろうか。(2007/09/25)

“事実の隠蔽”と“問題の先送り”この犯罪的とも言える重大な過ちに気が付かない、あるいは気づいていても直せない連中にいくら税金を預けたところで、有効に使えるわけがない。今後日本は高齢化が進み老人人口が増えるが、このような事態を招いたのは、その老人達が壮年期に有権者としての権利を使って過ちを正して来なかったからともいえる。不作為の責任は老人達が取るべきであり、決して次の世代に先送りすべきものではない。これまで散々ムダ使いを看過しておいて、福祉、医療の金がないなど自業自得というものだ。ところが民主主義の多数決の論理では、多数派となる老人有権者の意見が尊重されてしまう。こうして国家的に問題が先送りされ、若者の絶望感は増し、国力は低下していく。たとえ自分達が痛みを伴っても問題の先送りだけは食い止めて、若者に明るい未来を残すことを優先しようという品格ある老人にならない限り、この国に未来はない。(2007/09/21)

無駄があることは公務員が一番よくわかっている。ただ何がむだで何が無駄でないかを評価する公平なシステムが役所には存在しない。結局声の大きいやつ、狡いやつのところにお金が流れる。なまじっか形だけの評価システムを導入しても、文書上でのつじつま合わせは公務員の最も得意としたところ。ほとんど役をなさない。 歳入を絞っても本当に必要なところもそうでないところも一律に減らすだけ。 民間から公務員になった小生には苦しいくらいによくわかる。(2007/09/21)

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