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電機、映像一巡で再編の「音」

シャープ、パイオニアと提携し“忘れ物”拾う

  • 田中 成省

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2007年10月1日(月)

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 「まだまだ、ありますよ」。予告からわずか3週間での“公約”実行だった。大阪府堺市の新工場建設、薄さ2cmの液晶テレビ試作品と立て続けに発表したシャープの片山幹雄社長は8月末、出張先のドイツで周囲にこう語っていた。その隠し球が、パイオニアとの資本・業務提携だった。

シャープの片山幹雄社長(左)とパイオニアの須藤民彦社長(右)は相互補完の関係を強調した

シャープの片山幹雄社長(左)とパイオニアの須藤民彦社長(右)は相互補完の関係を強調した (写真:都築 雅人)

 シャープは12月20日、パイオニアが実施する414億円の第三者割当増資を引き受け、パイオニアの発行済み株式数の14.28%を保有する筆頭株主になる。逆にシャープは発行済み株式数の0.9%をパイオニアに売却する。資本関係を見れば分かるように、事実上、シャープによるパイオニアの救済だ。

 パイオニアはデジタル家電ブームの初期には世界でも先頭集団にいた。1997年には業界で初めて家庭向けの大型プラズマテレビを発売し、レーザーディスクで培った光ピックアップ技術の優位性を生かしてDVDレコーダーでもヒット商品を連発。「2002年のクリスマス商戦ではパイオニアが発売した3機種が取り合いになった」(家電量販店幹部)ほどの存在感を示した。

 しかし、デジタル家電の競争激化に伴うプラズマテレビやDVDレコーダーの価格下落に経営が対応できず、2006年3月期には連結ベースで10期ぶりの営業赤字に転落。2007年3月期の営業損益は124億円の黒字だが、純利益では3期連続の赤字に陥ったままだ。

 今回の資本提携で両社が得るものは何か。パイオニアは再建資金を手にすると同時に、外資などからの買収リスクも軽減できる格好だ。

 一方、シャープはプラズマ陣営だったパイオニアが液晶テレビを販売することになり、液晶パネルの大型顧客を新たに確保できた。(1)次世代DVD、(2)ネットワーク関連、(3)カーエレクトロニクス、(4)映像の4分野で製品の取引や共同開発も行う。

 パイオニアは業界屈指の技術力を持つメーカー。もともと画像処理の技術には定評があるうえ、次世代のディスプレーとして期待される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーも初めて量産化した。しかも、今回の出資比率は15%未満でパイオニアはシャープの持ち分法適用外。シャープは先行きが不透明なパイオニアの財務リスクを回避しながら、多くの果実を得ることができる。

「これでシステムが組める」

 だが、今回の提携を聞いたある大手電機メーカーの首脳は、提携の意味を全く違う角度で捉えている。

 「AV(音響・映像)とはよく言ったもの。今まではVだけでよかったが、これからは両輪が揃っていないと世界では戦えないということを、シャープさんも意識していたんでしょう」

 シャープは1990年代に「液晶のシャープ」として、AVの世界では映像に関わる部分に経営資源を集中してきた。松下電器産業やソニーなどに比べて人的、資金的な規模で劣るシャープにとって、前社長の町田勝彦会長がよく口にしていた「身の丈に合った成長」を実践するうえで、やむを得ない選択だった。

 ところが、液晶をテコに薄型テレビの世界で一定の存在感を持ったシャープが、もう一段の成長を期すためには、置き忘れてきた事業領域を拾い直す必要が生じた。それが「音」の世界だ。シャープの幹部がこう漏らした。

 「薄型テレビの市場が富裕層向けの高級品と低価格の汎用品に2極化する中、パイオニアと提携すれば富裕層を相手に100万円、200万円の商売ができる。本格的なホームシアターのシステムが組めるようになるから」

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