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au新料金に総務省が激怒

「1円端末」は自由競争の成果か? 欠陥か?

2007年10月10日(水)

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 auブランドの携帯電話が好調で「我が世の春」を謳歌するKDDI。一方、「1円端末」といったいびつな価格を生み出した販売奨励金の是正を迫る総務省――。

 両者の戦いは、KDDIが10月4日、総務省に敬意を表し、新しい携帯電話機の販売方法「au買い方セレクト」を発表したことで、一件落着したかに見えた。しかし、実態は、全く逆だ。総務省はKDDIの対応に業を煮やしており、戦いは長期化の様相を呈している。

 この騒ぎの直接の発端は、総務省のモバイルビジネス研究会が9月に、10回の審議を経てまとめた報告にある。その報告は、携帯電話業界の長年のタブーをやり玉に挙げた。世界中を見ても、日本の携帯電話会社だけが多額を費やしている、とされてきた販売奨励金の問題に切り込んだのだ。

販売奨励金が日本メーカーを弱体化させた

 販売奨励金の仕組みは、こうだ。

 まず、KDDIやNTTドコモのような携帯電話会社が、シャープや松下電器産業といった電話機メーカーから電話機を買い上げる。そして、1台につき4万円程度の販売奨励金を付けて、量販店や携帯電話ショップに卸す。そして、数万円の電話機が、極端な場合、1円とか10円といった廉価で売られ、消費意欲を掻き立てるのである。

 総務省は、この販売奨励金が2つの大きな弊害を生んでいると追及した。

 第1は、携帯電話機メーカーの問題だ。メーカーは、携帯電話会社の要求通りに、決められたスペックの電話機を、求められた数だけ作ればよい。自らは市場競争リスクにさらされることなく電話機を高値で買い取ってもらい、しかも販売奨励金を付けて販売してもらう商法が生まれ、それに安住した。

 この商法への依存は、悲惨な結果をもたらした。日本の携帯電話機メーカーは、国際的な価格競争力を失い、海外市場で生き残れなくなったのだ。

 ある調査によると、2006年の携帯電話の世界シェアは、1位フィンランド・ノキア(世界シェア35.4%)、2位米モトローラ(同22.2%)、3位韓国サムスン(同12.0%)以下、4位英ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズ(同7.6%)、5位韓国LG電子(同6.6%)、6位台湾ベンキュー・シーメンス(同3.8%)と続く。日本勢は、細々と日本市場で食っているだけで、シャープ、三洋電機、松下電器産業、NECなど10社を合わせても、シェアは7%に満たない。

年間2兆円の奨励金が基本料や通話料を高止まりに

 第2に、総務省は、消費者が十分な情報を与えられず、搾取される被害者になっていると主張する。というのは、販売奨励金のおかげで、一見廉価に見える電話機が、季節ごとにデザイン、機能、機種など装いを変えて続々と投入されるため、年に数回もの頻度で、不要不急の電話機を買い替えるユーザーが急増したからである。

 これまでユーザーに詳細が明かされることはなかったが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、少なく見積もって年間2兆円を上回る販売奨励金を投入している。この巨額の資金を回収するため、基本料や通話料といった月次料金には販売奨励金分が上乗せされており、この高い料金が消費者の財布を直撃しているというのだ。

 実際、日本の携帯電話の通話料は、ほかのケータイ先進国と比べて、かなり割高だ。総務省が今年8月に発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査」によると、1分間当たりの通話料は、東京が39.4円と、ニューヨーク(11.7円)の3.4倍、ソウル(19.2円)の2.1倍に達している。

 個人消費は、GDP(国内総生産)の6割を超す最大の経済セクターだが、その中で携帯電話料金が占める割合が大きく、他の消費が損なわれているとの指摘がなされて久しい。

一番反発したKDDIが、いち早く新料金を発表

 こうした中、総務省の報告は、携帯電話会社が販売奨励金の実態を開示せず、電話機の買い替えの頻度に関係なく一律の料金を課す商法は、「ユーザー間の負担の公平を欠く」と指摘した。つまり、めったに電話機を買い替えないユーザーは、高い通話料を支払わされることによって、頻繁に買い替える人の電話機代を肩代わりさせられているリスクがあるというのだ。

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