固定通信と無線通信、さらに放送を一体にしたサービスを可能にする次世代ネットワークサービスで主導権を握るために、KDDIは新しいサービスを開始した。9月下旬から始めた「au one」がそれで、このサービスはインターネットのポータルサイトで、携帯電話からも固定通信からも同じコンテンツを利用できるのが特徴だ。
これまでKDDIが提供するポータルサイトは、携帯からはauのコンテンツサービス「EZweb」、パソコンなどで固定網からアクセスする場合は「DION」などを個別に運用してきたが、au oneはこれらのサービスを統一した格好になる。
au oneの実施で、例えば米グーグルのウェブメールサービス、Gmailをau oneメールとして、携帯からもパソコンからも利用できるようになった。これにより利用者はau oneメールのアドレスを持てば、パソコンからも携帯からも同じアドレスでメールの送受信が可能になり、複数のメールアドレスを使い分ける手間から解放される。au oneを「嗅覚が鋭いKDDIらしいサービス」(JPモルガン証券 佐分博信アナリスト)と評価する声もある。
au oneの実施は、携帯と固定通信サービスの双方で使い勝手を増すことで、2つのサービスを同時に利用する顧客を獲得する狙いがある。さらに新サービスの名称に好調な携帯サービスであるauブランドを利用することで、不振の固定通信サービスの立て直しを図る。
規制の多いNTTとの差別化を図る
KDDIは今年4月に発表した新たな中期計画「チャレンジ2010」で、2011年3月期までに連結営業収益を4兆円にする目標に掲げた。その達成には、現在6年連続で赤字を計上する固定通信事業の黒字化が欠かせない。
KDDIの業績は、好調な携帯事業が赤字の固定通信事業を埋め合わせている状況が続いている。2007年度第1四半期の営業収益は前年同期比5.7%増の8441億円と好調だが、これは前年同期比10%の割合で顧客基盤を拡大する携帯事業によるもので、固定通信事業の第1四半期営業利益は131億円の赤字である。
KDDIは固定通信事業の収益を改善していく施策の1つとして、市場全体で四半期ごとに80万件の純増がある光サービス(FTTH)を強化し、今年1月には東京電力の光ネットワークサービスを統合し、「ひかりone」というブランドでFTTHサービスの強化に乗り出した。
地域的には私の住んでいる北海道でKDDIの固定サービスの販売についてはかなり弱いのではと感じている。携帯とのセットについてもサポート体制や契約の仕方などで過去に悪い話しも耳にしているのでどこまで本気なのか疑問である。特に固定電話のMNP販売活動が始まった時での故障関係の説明の不十分(NTTの113が利用出来ない)や契約自体のお客様の認識が無い状態での契約の実施など(急にKDDIから請求書が来た。子どもの携帯契約時の同時申し込み)があり「代理店のモラル」に任せた営業については万全に実施出来るのか?と感じています。(2007/10/17)