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キヤノン

株価低迷にあえぐ「優等生」の憂鬱

2007年10月19日(金)

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 厚さ2センチ前後の液晶ディスプレーに同3ミリの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレー──。

 今月上旬に千葉市・幕張メッセで開かれた電子機器展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2007」。シャープ(6753)やソニー(6758)、日立製作所(6501)などの電機メーカーが出展した超薄型テレビが注目の的となった。その賑わいの陰で、昨年は薄型テレビの主役に名を連ねたメーカーのブースがひっそりと姿を消していた。表面電界ディスプレー(SED)テレビを開発中のキヤノンだ。

 キヤノンは今年10~12月のSEDテレビ発売を目指していた。ところが、今年5月に発売を当面見送ると発表した。米ハイテクベンチャー、ナノ・プロプライアタリーとの特許訴訟が長期化したことなどが理由だ。発売の延期は2006年3月に続いて2回目。新たな発売時期のメドは立っておらず、キヤノンと共同開発相手の東芝(6502)はSEDテレビのシーテックへの出展を今年は見合わせた。

デジカメで国内首位を明け渡す

 SEDの発売再延期をはじめ、日本屈指の優良企業、キヤノンの“変調”を示す出来事が今年に入って相次いでいる。7月下旬には2007年12月期決算の業績予想を下方修正したことから同社の株価が大幅に下落。時価総額で任天堂(7974)に抜かれ、製造業ではトヨタ自動車(7203)に次ぐ2位から3位へ転落した。

 キヤノンの業績を牽引してきたデジタルカメラの国内シェアでも、デジタル一眼レフでは今年上半期はニコン(7731)に首位の座を奪われた。コンパクトデジカメでも7月から8月にかけて松下電器産業(6752)に首位を明け渡している(いずれもBCN調べ)。

 デジタル一眼レフで「万年2位」に甘んじていたニコンに逆転を許した理由を、Web「BCNランキング」編集部の道越一郎編集長はこう語る。「ニコンはエントリー機から中級機までの3機種が売れているが、キヤノンはエントリー機の『EOS Kiss Digital X』が大ヒットする一方で、それより上の機種の販売が伸び悩んだ」。

 他方、コンパクトデジカメでは、「キヤノンが9月に『IXY』の最新モデルを投入する前に、松下は2月に発売した『LUMIX FX30』の後継機である『FX33』を8月に出すという先制攻撃に打って出たのが奏功した」(道越編集長)。

 IXYの最新モデルが出た9月にはキヤノンが再び松下を逆転したが、「ソニーなどほかのメーカーの最新モデルも出揃った。キヤノンと他社のモデルとの間で機能やデザインの差はなくなりつつあり、今年の冬の商戦はキヤノンにとって例年より厳しくなりそうだ」と道越編集長は続ける。

 事実、ある調査会社が実施したブランド調査によると、「キヤノンのIXYのブランド力は低下傾向にあるのに対し、松下のLUMIXのブランド力は上昇している」(同社の担当者)という。

 こうした変調の積み重ねが思いのほか、キヤノンの株価の動向にも影響を及ぼしているようだ。

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「キヤノン」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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