• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

シリーズ:日米関係は大丈夫か?(4)

「米中関係は今世紀最も重要な2国間関係」の衝撃

  • 冷泉 彰彦

バックナンバー

2007年10月24日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日米関係の距離を判断する材料として、日米と米中との比較論は避けられない。

 例えば、ビル・クリントン政権時代には、1995年に北京で行われた世界女性会議に当時はファーストレディーだったヒラリー・クリントンを派遣するなど、何かと米中が重視され、日米は軽視されるという印象論が横行した。

 特に98年には、大統領として訪中したビル・クリントンは中国には9日間滞在しながら日本を素通りして帰国している。日本の官邸は立ち寄りを要請したのだが無視された格好となり、これでは“ジャパン・パッシング”、日本素通りだというような愚痴も聞かれたものである。

対中重視を明確にしたヒラリー次期大統領候補

 2001年に就任したブッシュ大統領は共和党政権ということもあって、就任当初は海南島における米国の偵察機と中国空軍のトラブルなど、米中の間に互いの手の内を探り合うような緊張関係もあった。だが、これまで7年近くにわたるブッシュ政権を通じて、米中はじわじわと距離を縮めてきているように見える。

 世界の生産拠点として、米国はなりふり構わず中国に製造を委託していったし、自由貿易を基本として、大企業の収益向上をサポートするというブッシュの経済政策がそれを加速させていった。その結果として中国の経済は拡大を続けたが、それはそのまま米中経済の一体化が進むという結果となった。

 政治外交の面でも、ブッシュ政権は就任当初には考えられなかったような対中融和に転じている。対北朝鮮政策では敵視姿勢を弱めて、中国による実務的な対応を支持する方向に変わったし、国連加盟を口にする台湾に対する圧力のかけ方を見ていると、共和党にとって伝統的だった親台勢力はどこへ行ったのかという印象がある。

 大統領自身はダライ・ラマ14世との親密な関係を維持しているが、2007年10月の議会での名誉黄金勲章授与に際して、実は中国当局の怒りに対する細やかな気遣いを見せた。それもこれも、経済の結びつきが強まったからだと言えるだろう。

 そんな中、2006年の米国中間選挙では民主党が圧勝、議会では上下両院で多数を確保した。さらにヒラリー・クリントンが民主党の大統領候補選考レースで優位な戦いを進めており、民主党の大統領として「第2次クリントン政権」が誕生する可能性は相当にあると言ってよいだろう。

 ヒラリーは「フォーリン・アフェア」誌の11月/12月号で自身の外交政策論を発表している。「リーダーシップとはブレンドされた戦略を持つことだ」という宣言を掲げたこの論文では、対中関係を「今世紀における最も重要な2国間関係」と大きく謳い上げたのだが、日本に関する言及は驚くほど少ない。

古い友人だが、結局は理解し合えなかった?

 では、再び“ジャパン・パッシング”が起きるのだろうか。さらに言えば、米中が手を組んで日本を軽視するような流れが米国にとっての「21世紀アジア外交」の主軸となるのだろうか。筆者は米国に流れる“空気”から、そうした可能性は無視できない水準にまで高まりつつあると感じている。

 まず、価値観の問題がある。一定の教育を受けた米国人の間では、「中国は独裁国家であり言論の自由がない」というのがベースの認識だと言っていいだろう。一方の日本は、アジアでは最も民主的な国家としてよく知られている。だが、ヒラリーに代表されるような民主党カルチャーからすると、日本の国内問題に対しては中国の問題ほど同情も興味もわかないのが実情だ。

コメント6

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。

澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長