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「2次電池売却」が切り札

三洋電機、半導体子会社の売却断念

  • 大西 康之,大竹 剛

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2007年10月29日(月)

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 三洋半導体(株)ならびに関係会社の役職者の皆さんへ――。10月16日、三洋電機の子会社、三洋半導体の関係者に1通の手紙が配られた。

 「本日、これまで行ってきたファンドを中心とする一連の資金調達の検討を中止し、引き続き三洋電機(株)を親会社とする三洋半導体(株)の経営を継続することに決定したことを皆さんにご報告致します」

 差出人は三洋半導体の田端輝夫社長。三洋電機が三洋半導体の売却を断念したことを伝える手紙である。

売却交渉が破談に至った後、三洋半導体が関係者に送った手紙で半導体はコア事業と位置づけられた

売却交渉が破談に至った後、三洋半導体が関係者に送った手紙で半導体はコア事業と位置づけられた

 ここに至る経緯は極めて複雑だった。三洋電機は9月初旬には1000億円超の価格を提示していた投資ファンドのロングリーチと合意寸前まで至ったが、9月中旬に突然、翻意して交渉相手をアドバンテッジパートナーズ(AP)に切り替えた。しかしその1カ月後、APとの交渉も不調に終わり、売却自体を断念したのである。

 冒頭の手紙は破談の原因を「最近の金融市場を揺るがしているサブプライムローン問題が長期化、深刻化する中、金融機関の貸し渋りによるファンド各社との非常に厳しい交渉を余儀なくされるようになりました」と説明している。

 だが、AP関係者は「サブプライム問題で資金繰りに支障を来した事実は全くない」と否定する。

 APの資金繰りが破談の原因でないとすれば、残る理由は売却条件が折り合わなかったか、三洋電機が売りたくなくなったかのどちらか。真相はその中間にありそうだ。

異例の連続だった入札劇

 一部の報道でAPの提示額は1300億円とされたが、実際には「交渉が進むにつれてAPは慎重になり、800億円程度まで値を下げた」と関係者は証言している。ロングリーチに1000億円で売っておけばよかったのに、三洋電機はとんだ「虻蜂取らず」を演じてしまったわけだ。

 三洋電機のファイナンシャルアドバイザーでもある米ゴールドマン・サックス(GS)が取り仕切った今回の入札は“異例”の連続だった。

 2次入札でMKSパートナーなどとの連合で応札したロングリーチは、実はもう1枚、それを上回る価格の単独の札を入れていた。1つの会社が2枚の札を入れることを許す入札は珍しい。2次入札ではロングリーチの単独札が勝ったと思われたが、最後は「後出しジャンケン」のAPが優先交渉権をさらった。

 そんな「何でもあり」のドタバタ劇から垣間見えるのは、「何が何でも1000億円超で売りたい」という三洋電機やGSの強い意思である。

 だが、交渉が進んで三洋半導体の実態が明らかになるにつれ、「1000億円超は無理」であることが分かってきた。ここで三洋電機は戦略を180度転換。すっぱり売却を諦めて「半導体はコア事業」と言い始めたのである。冒頭の手紙はこう続く。

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