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総選挙にらみ税制改正に異変

IT、ガソリン、証券…104の特別増減税が一挙廃止も

2007年11月5日(月)

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 消費税引き上げは先送り、法人税引き下げもなし――。

 始まったばかりの2008年度税制改正論議は、基礎年金の国庫負担増を行うための消費税率引き上げと、企業の競争力確保につながる法人税率の引き下げ、さらには個人所得税の改革など、生活と国力に関わる重要な税制改正が早々に見送られる見通しとなった。

 裏にあるのは、早ければ年末か年明けにも予想される総選挙をにらんで、増税を避けたい自民党の本音。加えて、参院で獲得した多数を背景に、ほとんどの自民党案に反発し、早期の総選挙に追い込もうとする民主党の圧力が自民党を縮ませている面も強い。総選挙にらみの政局と衆参ねじれの勢力図が税制改正を停滞させている格好だ。

 だが、実はその陰で本来の税率を2~3年程度の期限付きにして特別に引き上げたり、引き下げたりする租税特別措置の延長という知られざる問題が裏のテーマに浮上している。

「事前調整には一切応じない」

 この特別措置のうち、2008年度末までで期限切れになるものは計104。「例年にない数に上っており、しかも広範にわたっている」(日本経済団体連合会の阿部泰久・経済第二本部長)。しかも、大半は来年3月末が期限。いずれも国民生活と経済に密接に関係しているものばかりだ。仮に期限切れとなれば、「税率が大きく変わり、産業界から個人まで大混乱することになる」(同)などと不安の声が広がり始めている。

 従来は昨年の証券税制の1年延長のように、ある程度議論になることはあっても、自民党の主導で全体的には混乱なく処理されてきたが、今年はそれが一変している。自民・民主のにらみ合いの下、延長の議論が進まなくなる恐れが出ているのである。

 特別措置の影響を受ける対象範囲は、法人税から証券税制、土地・住宅税制、登録免許税、酒・たばこ税、石油・石炭税、道路特定財源、固定資産税など税目自体が幅広いうえに、大企業から中小企業、個人まで広範にわたっている(次ページ表参照)。

 例えば、法人税関係では、企業がIT(情報技術)投資をする際に取得価格の7%分を税額から控除する情報基盤強化税制が代表的なもので、対象は大企業から中小企業にまで広がる。

 中小企業に限ったものでも、すべての機械・装置や器具などの設備投資を後押しするために、同じく取得価格の7%分を税額控除する税制のほか、パソコンなど少額の減価償却資産を取得した場合に全額損金算入できるとするものなど3項目ある。中小企業で言えば、酒税で中小清酒業者への特例措置も設けられている。

 個人関係では、上場株式の譲渡益課税や配当課税の軽減などを定めた証券税制のほか、新築住宅の固定資産税の減額や、サラリーマンが勤務先から住宅取得資金の融資を受けた場合の所得税の軽減などが目立つ。

 これ以外にも、道路整備財源などに使う道路特定財源では、ガソリン税(揮発油税・地方道路税)を1リットル当たりで本来の税額(28.7円)の倍近い53.8円にしている特別措置が来年3月末に期限を迎える。これも仮に期限までに延長しなければ、ガソリン税だけで年間3兆円に上る道路整備の財源が半減する計算になる。

 「与野党協議会など、事前の調整には一切応じない」

 民主党税制調査会の藤井裕久会長は、租税特別措置の延長を巡って自民党との水面下の調整に応じる気など全くないと意気軒高に言い切る。

 租税特別措置の議論が今までになく膠着しているのは、民主党のこの強気が一方の要因となっている。「特別措置は、本当に必要なものばかりなのか議論が必要だ。おかしいものは修正するつもりでやる」と藤井会長。

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「総選挙にらみ税制改正に異変」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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