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「国交省不況」工場・店舗へ

イオン・森下仁丹…建基法改正の混乱波及

  • 馬場 完治,坂田 亮太郎,蛯谷 敏

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2007年11月26日(月)

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 「これじゃ『国交省不況』だよ、まったく」。大手不動産デベロッパー幹部が吐き捨てた。

 怒りの矛先が向いているのは、建物の安全性など建築確認の審査が厳しくなった改正建築基準法。2段階の建築確認を義務づけ、審査期間がそれまでの21日間から最大70日間に延びたことなどで住宅・建設業界は大混乱に見舞われている。9月の新設住宅着工戸数は前年同月比44%と過去最大の落ち込み。管轄の国土交通省に八つ当たりしたくなるのも無理はない。

 この幹部は「改正法の影響は住宅業界に限らない」とも言う。主力工場の着工が遅れ、店舗の建設と開業がずれ込む――。改正法に端を発する混乱は今、全国各地に広がっている。

スピード許可、市が全面協力

大阪府堺市臨海部で動き出したシャープの1兆円プロジェクト。市側の手厚い協力体制もあって建築確認の審査は円滑に進んだ
大阪府堺市臨海部で動き出したシャープの1兆円プロジェクト。市側の手厚い協力体制もあって建築確認の審査は円滑に進んだ

大阪府堺市臨海部で動き出したシャープの1兆円プロジェクト。市側の手厚い協力体制もあって建築確認の審査は円滑に進んだ

 大阪湾を望む大阪府堺市。東京ドーム27個がすっぽり入る127万㎡の敷地に杭打ちクレーンが所狭しと立ち並び、工場用地造成が急ピッチで進む。

 事業主はシャープ。最先端の第10世代液晶パネル工場、世界最大の太陽電池工場などを集積し、投資額はインフラ整備を含めて1兆円に上る。

 液晶工場の建築確認の申請は10月2日。許可は30日に下りた。「11月着工予定」(片山幹雄社長)の準備が整い、まずは順調な滑り出しだ。

 実は、こうした大規模工場で、申請から28日という短期間で建築確認の許可が下りるのは極めて異例だ。建築物を新設する企業の多くが利用する建築確認の民間検査団体が慢性的な人手不足に陥っており、それが審査の遅れを招いているからだ。

 シャープは今回、行政肝いりの事業で機密事項も多いことを理由に、堺市役所に審査を依頼した。市側も、法改正に合わせて大阪府が新設した事前審査制度を活用。正式な申請が出る約2カ月前から予備的な審査を進めた。シャープ専属チームを組織する力の入れようで、審査作業に携わった職員は「遅れは許されない、しっかりやってほしいと大阪府から要請があったらしい。もう綱渡りでした」と打ち明ける。

 この計画は堺市や大阪府が熱心に誘致した案件だけに、仮に審査が遅れて着工、稼働もずれ込む事態になったら、行政のメンツは丸つぶれ。破格の厚遇で何とか間に合わせた格好だ。

 しかし大半の企業では、シャープのような特別扱いは望めない。口中清涼剤「仁丹」で有名な医薬品メーカー、森下仁丹。武貞文隆取締役が憤る。

 「事業計画にまで狂いが生じたら、どうしてくれるのか。姉歯(秀次被告)に文句の1つも言いたくなる」

 大阪府枚方市に工場と研究開発施設を2009年1月をメドに新設する計画で、今年9月着工の手はずだった。だが、建築申請そのものが10月にずれ込み、まだ認可が下りていない。

 医薬品を製造するので、GMP(医薬品等の製造管理及び品質管理規制)という基準をクリアするための特殊な内装工事も必要になる。GMPは建築確認許可と別に取得しなければならず、建屋だけが完成してもGMPの許可がないと製薬工場としては使えない。

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