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JT、日清食品に5%出資交渉

加ト吉買収を縁に最強のホワイトナイトが動く

2007年12月3日(月)

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 日本たばこ産業(JT)が日清食品に5%程度の出資をする交渉を進めていることが日経ビジネスの取材で分かった。

 両社は11月に共同で加ト吉の買収を発表しており、買収後は両社の冷凍食品事業を加ト吉に集約することを決めている。今回の再編は冷凍食品事業にとどまらず、さらに包括的なものへと広がる可能性をはらむ。

 日清食品は米投資ファンドのスティール・パートナーズが約19%の株式を保有している。JTは、2007年9月末の連結自己資本比率が40.5%と強固な財務体質を誇り、英たばこ大手ガラハーなど大型買収を手がけてきた。

 「JTによる出資が実現すれば、スティールに対して極めて有効な警告になる。TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられた時に、JTがホワイトナイトとして乗り出す大義名分にもなる」(ある関係者)。スティールが日清食品へのTOBに踏み切れば、JTが日清食品を傘下に収める大型再編にも発展し得る。

 JTの食品事業は2008年3月期、売上高2970億円、営業利益70億円を見込む。飲料や冷凍・チルド加工食品など幅広く手がけているが、基幹ブランドと呼べるものは缶コーヒーの「ルーツ」程度。食品業界で際立って存在感が大きいとは言い難い。

 だが、JTと日清食品の冷食事業を移管した後の加ト吉は、冷食売上高2600億円と、国内でも群を抜いた企業になる。その51%を支配するJTの存在感も大きく変わる。

それぞれの補完関係が強み

 味の素、キリンホールディングス、アサヒビール…。食品業界再編の核となり得る企業は数社に絞られている。その中でもJTは巨額のM&A(合併・買収)が可能で、最強のホワイトナイトとして再編の主役になり得る。

JTで実現できなかった夢

 加ト吉の買収によって、JTは食品事業への注力を明確に示し、業界再編の核に浮上した。その陰には1人のキーパーソンがいた。加ト吉の金森哲治社長である。

 「今年5回の会見をやりましたが、すべて謝罪会見でありまして。初めて謝罪から始まらない会見をさせていただく。大変光栄に思っております」

 11月22日、東京都港区のホテルオークラ東京で開かれたJT、日清食品、加ト吉の3社による冷食事業の統合会見でのこと。JTの木村宏社長、日清食品の安藤宏基社長を両脇に、雛壇の中央に座った加ト吉の金森社長は開口一番、こう切り出した。

 循環取引の発覚で創業者が退任した加ト吉。その後も、食肉偽装のミートホープ製品を取り扱っていたことが発覚するなど不祥事が相次いだ。循環取引の発覚後、社長として緊急登板したJT出身の金森社長はそのたびにカメラの前で頭を下げ続けた。

 だが、前を見据え、張りのある声で質問に応答するこの日の金森社長はそれまでの姿と別人。2社に買収される企業の社長にもかかわらず、会見の主役と呼ぶにふさわしい存在感を示していた。

 そんな金森社長を見て、同氏を知る関係者はつぶやいた。「JTでできなかった夢を加ト吉でかなえるつもりだろう」。

 世界的な総合食品メーカーを作り上げる──。これは、金森社長が長年、抱いてきた夢である。

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「JT、日清食品に5%出資交渉」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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