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ビール値上げに卸の憂鬱

価格維持の小売業に理論武装は盤石だが

2007年12月12日(水)

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 「今回は是が非でも小売りを説得しないと卸はみんなつぶれる」

 キリンビールに続いてアサヒビールが打ち出した来春のビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)値上げに、ある大手卸の幹部は危機感をあらわにする。実際に小売業者と値上げ交渉をするのはメーカーではなく卸業者。小売りがすんなりと値上げを受け入れるか、卸業界では「果たして小売りが納得してくれるのか」と不安の声がささやかれている。

2005年の苦い経験

 卸業界が危機感を抱く背景には3年前、ビール流通における取引制度改革での苦い経験がある。

 ビール各社は2005年1月にビール系飲料でオープン価格制度を導入した際、卸との取引制度を変える方針を打ち出した。店頭での値引きの原資となるとされていた販促奨励金(リベート)を取りやめ、卸はメーカーの出荷価格にコストと利潤を付加して卸売価格を決める仕組みに改める。卸は適正利潤を得られるよう小売りに対して卸売価格の引き上げを迫る。店頭での値上げにつながる取引慣行の見直しだった。

 半年以上にわたる交渉は決裂し、有力スーパーはビールの店頭価格を維持することとなった。「最後まで反対を貫いたのは5%の小売店」(キリン)だが、そのほとんどが大手のため取引金額では50%分、大手との取引が多いある食品卸では「70%分は価格を据え置かれた」としている。結局、卸の苦しい経営環境に大きな変化をもたらすには至らなかった。

 2005年の取引制度見直しに大手小売店が賛同しなかった一番の理由は、値上げの根拠が薄弱ということだった。イオンやイトーヨーカ堂などの大手スーパーは「メーカーと卸間の取引制度を変えるだけ。小売りに対し値上げする理由がない」として拒否した。

 この時の反省もあるのだろう。10月31日に値上げを発表したキリンは20ページに及ぶ資料を準備した。ここでは、ビール値上げの理由を、原材料と容器、燃料、為替の4点から説明している。さらに前回の値上げから17年以上に及ぶコスト削減の取り組みについても年表付きで詳細に記している。同社はこの資料の発表と同時に有力小売店に配布し説明に回った。

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「ビール値上げに卸の憂鬱」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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