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2008年を斬る:「不安の1年」と対峙せよ

世界的パラダイム転換の現実から逃げるな!

  • 水野 博泰

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2008年1月4日(金)

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将来性がない国──。日本は世界からそんなふうに見られ始めている。確かに、国全体が活気と希望に満ち溢れ、未知の領域に果敢に挑戦する迫力を発しているかと省みれば、答えに窮する人が多いのではないか。明らかに、この国には「転換点」が必要なのだが、果たして2008年がその年になるのだろうか。世界の視座から見て日本は今どこにあり、どこに向かおうとしているのか。国際金融の最前線に立ち、かつて“通貨マフィア”の異名を取った行天豊雄・国際通貨研究所理事長に聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)

行天豊雄・国際通貨研究所理事長

行天豊雄・国際通貨研究所理事長(写真:清水 盟貴)

NBO 大局的に見て、2008年の世界経済はどういう位置づけの年になるのでしょうか。

行天 ずばり、「不安の1年」ではないでしょうか。

 様々な問題をひっくるめて、世界全体の秩序、パラダイムというものが少しずつ変わってきています。この1年で何もかもが変わって新しいものが出来上がるというわけではありませんが、変化のモメンタムは確実に働いています。ある量的レベルまでくると、クリティカルマスを超えて、一気に質的な変化が進む。そういうプロセスが進んでいるのです。

 何年か経ってから振り返ってみると、2008年というのは世界の経済秩序やパラダイム変化の過程でかなり大きなことが起こった年だったと思い出されることになると思います。

NBO 2008年に特に際立ってくる“モメンタム”とはどのようなものがありますか。

行天 戦後60年の世界経済は、米国経済がまさに覇権的な役割を果たしてきたわけです。その米国経済に対する不安が、非常に長いプロセスを積み重ねた末に、ここ1~2年でかなり具体的な形になって表れてきている。2008年には、その流れの先にある方向性が見えてくるのかもしれません。

「ブレトン・ウッズ2」体制の岐路

NBO 米国の覇権的地位が失われるようなこともあり得るということですか。

行天 一気に凋落するようなことはない。米国経済はまだまだ強いですからね。ただ、落ち込んだり、復活したりということを繰り返す過程を踏みながらカタチを変えていくことは間違いないでしょう。

 そもそも、戦後の世界経済というのは、まあ、ひとつの言い方をすれば米国の赤字で支えられてきたわけです。金為替本位制、固定相場制を基礎にしたブレトン・ウッズ体制が世界経済の戦後の復興、発展を支えてきましたが、1973年にそれが崩れた。米国の負担が大き過ぎて、その負担に耐えられなくなってしまったからです。

 それに取って代わったのが、いわゆるドル本位制です。ドルが世界的な基軸通貨の役割を果たし、米国は基軸通貨国として対外的な赤字を出し続けた。言い換えれば、米国の国内需要が世界中に巨大な市場を提供し続けてきたということです。

 ここ10年ぐらいで、「ブレトン・ウッズ2」という言葉がよく聞かれるようになりました。金為替本位制のブレトン・ウッズ体制は1973年に崩壊したけれども、あれと似たような仕組みができたではないかと。米国は非常に大きな国内需要を維持し、世界中から輸入をして世界を支える。その代わりにドルが世界中にばらまかれるわけですね、ドル債務が。そのドル債務は、各国の公的準備、民間資産の形を取ってまた米国に投資される。

 つまり、米国の巨大な経常収支赤字を通じたドル債務の世界中への散布、特に固定利付きの米国債などへの対米投資という形での還流──。これは非常にうまくいっていました。

 ところが、このブレトン・ウッズ2への懸念が高まってきた。スティーブン・マリスというOECD(経済協力開発機構)の経済局長をしていた人などを筆頭に多くのエコノミストが、かなり以前から「ドルのハードランディング」の可能性を指摘していました。幸いにも実際にはそういうことは起こらなかったのですが、ここにきて、いよいよ深刻な危機と考えられるようになってきたのです。

 今、米国の対外純債務は2.5兆ドルぐらい。そのほかいろいろなドル資産が世界中にあって、世界各国の公的準備の総額が3.9兆ドルぐらい、SWF(ソブリン・ウエルス・ファンド)と呼ばれる国営ファンドが2兆~3兆ドルぐらい。このSWFがすごい勢いで増えている。

 問題は、ドルから他資産へのシフトが進んでいることです。ユーロ、金、石油などへのシフトです。もう1つは、今まで米国に還流していた資金は圧倒的に米国債などへの債券投資が多かったわけですが、エクイティ(株式)へのシフトが加速している。こうしたシフトが、ブレトン・ウッズ2体制の撹乱要因になっています。2007年から動きが顕著になって、おそらく2008年あるいは2009年には方向性がはっきりしてくる。

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