• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“失われた10年”に逆戻りも

2008年、長期低迷のとば口に立つ日本経済

  • 石川 潤,白壁 達久

バックナンバー

2008年1月8日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 北大西洋の藻屑と消えたタイタニック号は2つの教訓を残した。1つは、どんなに華やかなパーティーであっても、必ず終わりはやってくるということ。もう1つは、船が傾いた時に救命ボートの席を得るのはパーティーを満喫した紳士淑女であって、最下等の船室に押し込められた貧しい人々ではないということだ。

中小企業は既に“不況”

 2008年の世界経済は米サブプライムローン(信用力の低い低所得者向け住宅融資)問題の影響が広がり、加速度的に落ち込んでいく可能性がある。その痛手を最も受けるのは、好景気を謳歌したグローバル金融の担い手ではなく、ほとんど果実を得られなかった中小企業や家計部門になるだろう。

 日本の中小企業は既に景気の減速を肌で感じている。12月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)によると、中小企業製造業の2007年度の経常利益は前年度比でマイナス4%の大幅減となる見込みだ。2006年度の7.9%の増益と比べ、潮目の変化は明らかだ。

 中小企業製造業のDI(業況判断指数)の先行きは、マイナス3まで落ち込んだ。これは3カ月後の業況が「良い」と考える経営者よりも「悪い」と考える経営者が多いことを意味する。DIがここまで悪化するのは、日経平均株価が1万円程度に低迷していた2004年初め以来だ。

経済指標は既に景気減速を映し出している

 経営悪化の原因は、原油高などを背景に原材料の仕入れ価格が上がり続けているのに、製品の販売価格に転嫁できないところにある。値上げできるのは価格支配力が高い大企業ばかり。中小企業は利幅の縮小に打つ手がない。

 中小企業の経営難は、賃金の引き下げ、雇用の悪化を通じて家計を直撃する。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「賃金の上昇は見込めず、ガソリンなどの物価高の影響だけがのしかかる2008年は、家計にとって厳しい年になる」と話す。

 政府・日銀は、企業業績の改善が賃金上昇につながり、個人消費が活性化されるという成長シナリオを描いていた。だが、家計に恩恵が及ぶ前に景気は腰折れしそうな雲行きだ。

米、中、欧は同時失速の恐れ

 厳しい状況に追い打ちをかけるのが、これまで日本経済を支えてきた輸出の落ち込みだ。サブプライム問題が米国の個人消費を冷やし、輸出産業に打撃を与えることが懸念される。

 サブプライムローンが米国で増え始めたのは2003年末以降だが、それより前の1998年頃から家計部門の住宅抵当借り入れの膨張は始まっていた。つまり、過剰借り入れは一部の低所得者の問題ではなく、米国の家計部門全体に及ぶ根深い問題と捉えるべきだ。

 三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミストは「問題の本質は金融機関経営ではなく、個人消費を通じた実体経済への悪影響にある」と指摘する。米国の金融機関には産油国や新興国が資本を注入しており、比較的早い時期に経営が健全化することもあり得るが、家計部門が過剰債務を圧縮するには時間がかかる。今後4~5年は実質経済成長率が1%前後にとどまる可能性があるという。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長