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三陽商会、新ブランド作りで我流“ペルソナ”を活用

雑貨ショップで2人の女性の生活シーンを想定

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2008年1月9日(水)

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 アパレル大手の三陽商会が、2007年秋から立ち上げた雑貨ショップ「アン プリュス アン」(un plus un)のブランド展開に、ユニークな手法を取り入れている。新ブランドを作るに当たり、Emily(エミリー)とEmma(エマ)という架空の27歳女性2人の人物像を設定し、三陽商会の社員たちはEmilyとEmmaのライフスタイルに思いを馳せながら、同ショップで取り扱う雑貨や店舗のデザインに取り組んでいるのだ。エミリーとエマが普段使う雑貨を陳列し、店舗は彼女たちが住んでいる部屋、というコンセプトである。

 マーケティング関係者の間では、架空の顧客像「ペルソナ」を綿密な調査を基に作り上げて、その像のために商品やサービスを設計するという手法が注目されている。アン プリュス アンで三陽商会がEmilyとEmmaを設定した取り組みはこのペルソナに似ている。ただし厳密には、顧客であるはずの日本人女性ではなく、外国人を設定したのでペルソナとは言えない。それでも、フェミニンとゴージャスという相反するイメージの商品群を1つのブランドで展開するために、細部まで作り込んだ人物像とストーリーを活用する考え方はペルソナ手法と同じだ。

2つの顧客像を軸にブランド作り

 アン プリュス アンとは、フランス語で「1+1」を意味し、2008年1月現在で有楽町マルイなど4店に出店している。

図版

「ターゲット層を具体的に設定することで社内のコラボレーションが図りやすくなった」と話す、三陽商会事業本部生産戦略事業部アクセサリーディビジョン企画第三グループの藤野一郎企画統括長

 同社の生産戦略事業部アクセサリーディビジョンが雑貨ショップの立ち上げを模索し始めたのは2006年夏頃。丸井のファッション雑貨部と組んで開発を進めたところ「ロマンチックでかわいいものが好きなのんびりした女性」と「セクシーで快活なイメージの女性」という2つの顧客像が浮かび上がった。

 結局、その両方を取り込む形で、個性が異なる2人の女性が同居する部屋をモチーフにした店舗を作ることになった。三陽商会アクセサリーディビジョンの企画第三グループ企画統括長を務める藤野一郎氏は「気分や出かける場所によってグラマラスなものからシックなものまで使い分けてもらえれば」とあえて1人に絞らなかった狙いを明かす。

 ファッションブランドを立ち上げる際に、顧客像をプロファイリングすることは珍しくない。ターゲットにすべき消費者の職業、年齢、好きな雑誌、住所、価値観といったプロフィールをあらかじめ決めておき、関係者間で共有するのだ。三陽商会はこれを徹底した。

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著者プロフィール

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者。2002年に日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」を経て、2010年春から再び日経ビジネス編集部に所属。趣味は野球(やる、読む、観る)と献血(2011年7月現在で通算140回)。相撲二段。好きな作家は後藤正治。

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