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三菱自、優先株の配当延期も

新中期計画策定で噴出した3年前のツケ

  • 江村 英哲

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2008年1月16日(水)

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 三菱自動車が三菱グループ12社に発行した優先株式の配当金支払いについて、先送りを検討していることが日経ビジネスの取材で明らかになった。

 三菱自の経営幹部は「優先株の配当を必ず払うという決まりはない。払えない場合は払うことはできない」と明かし、発行規定では2009年度以降に始まる予定だった配当支払いを先送りする可能性を示唆した。

 三菱自は経営危機に陥った2004年から、三菱重工業や三菱東京UFJ銀行などグループ12社に対して優先株を発行。合計約4900億円を調達した。この優先株は1株当たり5万円の配当を条件にしており、その負担額は年間200億円にも達する。これは2008年3月期の最終利益の見通し(200億円)に匹敵する額だ。

 巨額支払いの発生は、再建にとって冷や水となる。三菱自は今年3月末までに新中期計画を発表する。“再生”から“成長”への移行が問われる新計画では、財務が最大の課題として浮上する。そこで計画の作成と並行し、財務立て直しのための配当回避策を検討しているのだ。

 自動車会社が経営再建に際して優先株を発行した例は、日産ディーゼル工業といすゞ自動車がある。だが、両社は配当を延期していない。1060億円を調達した日産ディは「期限通りに支払いを開始した」。いすゞも債務の株式化によって優先株を発行したが、復配と同時に優先株の配当を始めている。

 その意味で、三菱自が配当支払いの延期を検討すること自体、極めて異例なことと言える。

猶予付き支援策のほころび

 三菱自が2005年1月に発表した再生計画は、三菱グループ各社にとって、いわば「執行猶予」付きの支援策。身内を守るために奉加帳方式でカネを出したが、再建が進んだ段階で配当金で回収するシナリオだった。というのも、三菱自の配当額の規模は決して小さくなく、グループ御三家の商事は約33億円、重工は約12億円、銀行は約130億円もの配当金を得る権利を持つからだ。

三菱自動車の優先株を持つ三菱グループ企業

 それでも三菱グループ各社は、配当の先送りに応じる姿勢を見せている。それは、三菱自の主要株主が三菱グループで固められている特殊要因があればこそ。配当金の支払いさえ回避しようとする姿勢は、立ち直っているように見える三菱自の脆弱さを映し出してもいる。

 商事のある幹部は「現在の三菱自の状態を見れば、優先株の配当金などもらおうとは思わない」と説明。別の三菱グループ企業幹部も「配当よりもまずは黒字の確保が最優先」と話す。

 支払いの延期により、三菱自の経営には別の矛盾も噴出しそうだ。

 2005年の再生計画発表時に、三菱自の財務統括部門担当の市川秀常務は、三菱グループが保有する優先株について「普通株には転換しないと合意している」と話した。

 グループ各社が持つ優先株には普通株への転換権がついている。しかも、転換価格は市場価格より低い有利な条件だ。実際、グループ以外で優先株を保有した米JPモルガン証券はすべて普通株に転換、売却した。中華汽車も一部を転換している。そのため、三菱自の株式数は22億株(2005年)から55億株に膨れ上がっている。三菱自が「転換をしない」と合意を取りつけたのも、株式の希薄化を防ぐためにほかならない。

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