「毎日のように、イオンから委任状を返送してほしいと電話がかかってきているよ」(中堅ドラッグストアであるCFSコーポレーションの株主)
CFSは2007年10月に調剤薬局を全国展開するアインファーマシーズとの経営統合に合意したが、これに反対したのがCFSの筆頭株主であるイオン。統合による調剤部門の強化を訴えるCFSに対し、「株価が低迷している時期の統合は、株主に不利益をもたらす」とイオンは不満をあらわにする。両社の主張は平行線をたどったままで、経営統合議案の賛否を問う1月22日の臨時株主総会に向けて、委任状争奪戦が激しさを増している。
「明日は我が身」


イオンや、ハックドラッグを展開するCFSコーポレーションは横浜市や静岡県三島市などで株主説明会を開催。委任状の勧誘に努めている (写真下:都築 雅人)
勝つのはCFSか、イオンか――。この成り行きに注目するのは、ドラッグストア業界だけではない。実は、スーパーマーケット業界も高い関心を寄せている。それは「中小スーパーとの水平統合を狙いたいイオンの実力を測る試金石になる」(首都圏の食品スーパー役員)ためだ。
地域に根差すドラッグストアやスーパーは、地元の金融機関や卸などの取引先に、安定株主として株式を持ってもらっていることが多い。ところが、こうした金融機関や卸などの大半が、売上高で5兆円を超えるイオングループとも取引がある。今回のようなケースではCFSとイオンのどちらを支持するか、厳しい決断を迫られる。
CFSの株主構成を見ると、イオンを除く取引先などの法人が約21%を占めており、このうち3分の2がCFSとイオンの両方と取引関係を持つ。「経営トップに経済合理性を訴えて、支持を集めたい」というイオンに対して、「イオンからの委任状勧誘を踏み絵のように感じる取引先もあると聞く」(アイン関係者)という声も出ている。
もしイオンが勝てば、ドラッグストアやスーパーにとって取引先は必ずしも安定株主ではないことを意味する。「イオンが“地縁”を断ち切る力を持っているのならば、明日は我が身として、買収防衛策などを講じる必要がある」とスーパー役員は考えを明かす。
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