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揺れる「管理職」の正体

マクドナルド判決、産業界に波紋広がる

  • 戸田 顕司,池田 信太朗

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2008年1月18日(金)

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店長は管理職にあらず――。司法の判断に、企業が慌てている。
管理職とは一体、誰を指すのか。その答えが見えない。
現行法では人材の活用がままならない。企業の不満は募る。

 一部の企業は既に気づいている。管理職が潜在的なリスクである、と。

 きっかけは、1月28日、東京地裁が下した判決だった。「店長は管理職ではない。日本マクドナルドは残業代を支払え」。これだけならば、問題は店長を抱える外食や小売りにとどまる。

 しかし、産業界は、そう受け取らなかった。その理由は、司法が管理職の要件として、「経営者と一体的な立場にある」ということを判決文で明確に示した点にある。

「経営者と一体的でない」

東京地裁は、マクドナルドに残業代支払いを命じた

東京地裁は、マクドナルドに残業代支払いを命じた (写真:村田 和聡)

店長は管理職か否か

【管理監督者の3要件】

●経営に近い
経営方針の関与や人材採用
●時間の自由
出退勤時刻や休日の裁量権
●賃金の優遇
一般従業員よりも高い給与

 一般に管理職と呼ばれる人々は、労働基準法の「管理監督者」に当たる。企業は労働時間が週40時間もしくは1日8時間を超える従業員には、残業代を支払う義務がある。しかし、管理監督者には不要だ。労働時間規制の適用外となるためで、残業代ではなく、役職手当などで賃金の優遇措置を講じておけばいい。

 マクドナルドは店長に手当を支払っている。また、店舗の収益責任があり、パートやアルバイトの採用を任せていることを理由に、「店長は管理監督者で、残業代の支給対象ではない」と主張している。

 しかし、東京地裁はそれだけでは管理監督者と認定するのに不十分とした。「店長には社員を採用する権限がない」「会社の経営方針などの決定に関与していない」といった点を根拠として、経営者と一体的な立場にないからマクドナルドの店長は管理職ではないとした(編集部注:マクドナルドは判決を不服として控訴した。また、店舗スタッフの人員数は増加、社員の残業時間は削減しているなど労働環境は改善しており、この件は個別の問題としている)。

 この判断を他社にも厳格に適用すると、例えば、人事部以外で、正社員採用の権限を持つ管理職は産業界でどれほどいるのか。経営方針を決定する会議に出席しているという管理職も多くはないはずだ。

 「本来であれば残業代が支払われるべき管理職は、企業規模の大小にかかわらず、ほとんどの会社にいるだろう」。労務関係に詳しい複数の弁護士が口を揃える。

 では、企業はどう認識しているのか。日経ビジネスは上場大手企業50社を対象に、緊急アンケートを実施した。すると、4社に1社が「労基法は必ずしも実態とそぐわない」という認識を示す結果となった。

4社に1社は労働基準法に不満

 「労基法が指す経営者と一体的な管理職とは、部下を持つ組織単位長と考える。しかし、当社では、フェローなどの専門職や主任部員なども管理職処遇にしている」(部品メーカー)

 「職能資格制度で管理監督者を認定しており、ポジションによっては必ずしも経営者と一体的な立場とは言えない社員もいる。だが、人事異動のたびに時間外手当と役職手当を変更する運用は現実的ではない」(物流会社)

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