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3万5000円への道

平均株価の急騰を阻む官の規制

  • 大竹 剛,永井 央紀

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2008年2月26日(火)

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外国人投資家の日本離れが加速している。
だが、日本経済が再活性化するには対日投資が不可欠のはず。
日本を敬遠させるものは何か。

 前回の「株価を上げる44市」では、上場企業の時価総額で見た都市の成長力は神奈川県茅ケ崎市が日本一であることを示し、内需拡大のためのバラマキにも選択と集中の必要があると主張した。

 今回は、今後の成長に欠かせない海外からの対日投資の拡大にスポットを当てる。そのカギは規制改革にある。

外国人株主の比率に開き

 不要な規制が撤廃されていれば、日経平均株価は3万5000円超――。もしかしたら、今頃はそんなバブル最盛期の株価に迫るような株価水準が可能だったかもしれない。そう思わせる数字が日経ビジネスの試算から弾き出された。

 日経ビジネスは経済産業研究所などの調査結果を基に、政府の規制度合いが強い分野と自由度の高い分野から5業種ずつ抽出し、それぞれ「規制5業種」「自由5業種」とした。1998年1月の業種別株価を100として指数化し、その平均を取ってみると、規制分野と自由分野の差は驚くほど明確に出た。

規制業種の株価は伸び悩む

 自由5業種の株価指数が2008年1月には220と、10年間で2倍以上に高まったのに対し、規制5業種は77。株価が上がるどころか、逆に2割以上も下落している。政府規制の強い業種は株価が抑えられやすいことが分かる。

 興味深いのは、両業種の株主構成の違いだ。自由5業種では、2006年度の外国人株主比率が平均で30.2%。規制5業種では同20.1%。規制の強弱で外国人株主比率に10ポイント以上の開きが出た。最近の外国人株主比率の上昇幅も、自由5業種の方が大きい。売買代金シェアの7割を占める外国人株主には、政府規制の弱い業種を志向する傾向があることが明らかだ。

 日経平均株価を同様に指数化してみるとどうなるか。実は、この10年間は規制5業種とほぼ同じように推移しており、足元の指数は81。日経平均株価が規制に抑えられることなく自由5業種と同じ220まで上昇できたならば、足元の日経平均株価1万3000円から推定できる株価は3万5000円だ。

 規制という重しには、それだけ日本株の成長を阻害してきた可能性がある。だが、このところの政府は、そうした株価の示唆に無頓着に見える。

成長の重しに「余計なお世話」

 「福田総理の舌の根も乾かぬうちに、何を言い出すか。外国からの投資意欲が減退するぞ」

 改革の旗振り役である規制改革会議で議長を務める日本郵船会長の草刈隆郎は、最近すこぶる機嫌が悪い。原因はまたぞろ出てきた外資規制論だ。

 1月下旬にスイスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)には、福田康夫が日本の総理として9年ぶりに出席した。「日本の総理が国会会期中に来るのは大変なことです」。主催者からこう紹介されて登壇した福田は次のように訴えた。

 「対日投資、貿易手続き、金融資本市場の改革などの市場開放努力を一層進め、日本を世界とともに成長する国としていく」

 今年のダボス会議では日本への期待は低く、「日本は忘れられた大国か」というプログラムが組まれていたほど。そうした中で、福田の講演は日本への関心を高めるのに一定の成果を上げたようだ。講演を聞いた在日米国商工会議所の会長、チャールズ・レイクは「評価する声が多かった」と言う。

 だが、ダボス会議が終わるや否や、国土交通省から出てきた規制案には誰もが耳を疑った。空港ビル運営会社への外資規制である。

 昨年秋、豪投資銀行のマッコーリー銀行が羽田空港のターミナルビルを運営する会社の20%弱の株式を保有した。これを受けて国交省は空港は安全保障上、重要との観点から、外国資本の保有比率を3分の1未満に制限する規制案を進め始めたのだ。

 関係者によると、「規制改革会議では外資規制をしない方向で意見がまとまっていたのに、国交省が不意打ちで法案を出してきた」という。草刈が怒るのも無理はないが、懸念すべきは外国人投資家への影響だ。

 規制改革会議の委員で慶応義塾大学教授の中条潮は「空港は国際的な関心が高い分野なだけに、外資規制が投資家に与えるインパクトが強い」と指摘する。実際、ダボスで福田講演を好意的に受け止めていたレイクは頭を抱えている。「結局、日本は保護大国の道を歩み続けるのか、市場主義経済を進むのか。どちらに軸足を置いているのか分からなくなってしまった」。

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