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「アジア液晶三国志」に異変

ソニー・シャープ提携に揺れる韓国勢

  • 田中 成省, 山崎 良兵

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2008年3月4日(火)

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 「何千億円も投資して全然利益が出ないなら、銀行に預金した方がいい。外貨預金の金利を上回る利益が出せないならやめるべきだ。やめないなら、ちゃんと利益を出せるモデルを作れ、と社内で繰り返し言っている」

 2月21日にソニーが開いた半導体事業の説明会で中川裕副社長はこう強調した。半導体に関する話だが、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が提唱する「アセットライト(資産の軽量化)」をこれほど明快に解説した表現はない。

 そんな「外貨預金の金利以下」のリターンになりかねない案件に、ソニーはあえて投資をする。2009年度に稼働を予定するシャープの液晶パネルの新工場に34%を出資し、パネルの共同生産に乗り出す。

パネルが製造原価の3分の2を占める

 右のグラフのように、パネルは液晶テレビの製造原価の3分の2以上を占める基幹部品。これを内製化すれば価格競争力がつくと見て、ソニーは2004年に韓国サムスン電子との合弁でパネル製造会社を設立した。

 ただ、このパネルの自前生産が収益向上に直結しないことは、直近の業績が証明済み。2007年10~12月期の液晶テレビ市場でソニーはサムスンを逆転して世界シェア1位に立った。だが、同四半期のテレビ事業の営業利益はわずか40億円。上期の損失が響き、2008年3月期通期は赤字を見込む。

 パネルの原価削減ペースをテレビの価格下落スピードが上回り、収益性は高くない。それなのになぜ、再びパネル製造会社に資金を投入するのか。

 テレビの販売量で利益を確保

 「競争力あるモデルが揃って“数”が出たから、テレビ事業は前四半期に黒字転換できた。来年度は数量をかなり拡大することで、通期で必ず黒字になると期待している」(大根田伸行CFO=最高財務責任者)。ソニーは2008年3月期は約1000万台の液晶テレビの販売を見込むが、来期はその数を最大2倍近くまで増やす見込み。最終製品の数を追い、圧倒的な規模で利益の絶対額を増やす戦略を加速するということだ。世界的なブランド力のある「SONY」なら、それが可能だ。

 その際のリスク要因がパネルの調達。液晶テレビ市場において、2007年は自前の安定供給先を持たないメーカーがパネルの“玉不足”に泣いた年だった。例えば船井電機は十分な数のパネルを入手できずに業績が低迷。昨年、北米で急速に台頭したビジオも、「2008年用の液晶パネルの調達に失敗し、主力を急遽、プラズマに切り替えた」(日系のテレビメーカー)。シャープとの共同生産に必要な出資はその安定調達の保証金の性格が強い。

韓国メーカーにショック3連発

 もっとも、視点をパネル製造会社に変えると、今度は全く違った景色が見える。需給の逼迫時は問題ないが、パネルは市況商品。パネル製造会社としては大口の安定顧客をどれだけ確保できるかが事業存続のカギを握る。その意味でソニーの方針転換はパネル業界の勢力図を塗り替える可能性が高い。

 「特に韓国のパネル製造会社にとっては、たった2カ月間で3つのショックが続いたことになる。液晶パネルで“日の丸”が復活するかもしれない」

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