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JAL中計から消えた“目玉”

大胆さ欠如、再生への航路になお不信感

  • 永井 央紀

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2008年3月11日(火)

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 「あの話がどうして盛り込まれていないんだ?」。日本航空(JAL)が新しい中期計画を発表した2月29日、市場関係者の間にはちょっとしたどよめきが起きた。

 報道が先行したこともあり、計画には「1500億円の増資」「赤字の貨物事業の再構築」「ジャルカードの一部売却」という3つの“目玉”が期待されていた。ところが、ふたを開けてみれば実現したのは増資のみ。残り2つの目玉が欠けたのはなぜか。その経緯からは、JAL再生に残る課題が浮かび上がる。

中期計画までに実現したのは増資のみ

「石橋を叩きすぎて…」

 「うちは石橋を叩きすぎているのかもしれないな…」。JAL幹部は貨物事業立て直しの計画策定に時間がかかっていることを自嘲気味に語る。

 JALの貨物事業は毎年約100億円の営業赤字。「自社だけの運営では難しい」(西松遙社長)と判断し、昨年9月頃から貨物事業を分社化して他社からの出資を仰ぐ再建策の検討が本格化した。JAL幹部は当初、「半年をメドにまとめようと考えていた」という。

 提携先としてまず浮上したのは物流ネットワークを強化したい意向を持つ三井物産だった。当初、物産は分社化した貨物事業に50%近い比率での出資を考えるほど積極的だったが、特定企業との関係に偏るのを敬遠したJALは三菱商事とも話を始める。「うちが主導権を取るつもりでいたが、三菱さんもご関心があったようで…」。物産首脳は皮肉を込めて話す。

 いずれにしても、提携相手は早くから見つかっていた。ところが、検討開始から半年がたった今でも「どんなビジネスモデルを組めば収益が回復するのか定まっていない。あと数カ月はかかる」(JAL幹部)という。

 関係者によるとネックになっているのはこんな事情だ。出資してもらう際、収益性の高いビジネスモデルなら高く売れるし、赤字モデルのままでは買い叩かれる。なるべく成功しそうなモデルを構築しようと検討する結果、時間がかかっているのだという。

 だが、貨物業界は急速な再編が進んでおり、提携する相手を奪い合う、陣取り合戦の最中だ。実際、JALは昨夏、日本通運や近鉄エクスプレスとの事業提携を検討していたが、JALが慎重姿勢でいるうちに、全日本空輸(ANA)がこの2社と提携してしまった。

 英格付け会社フィッチ・レーティングスの青山悟ダイレクターは「航空需要が落ち始めた今、早期に大胆な策を打たなければ成長はできない」と指摘。ライバルのANAは海外で格安航空の合弁事業を検討するなど、矢継ぎ早に新機軸を打ち出している。JALはリストラ作業に労力を取られるハンディがあるとはいえ、スピードで負ければせっかくの成長の芽も摘まれてしまう。

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