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ミレアホールディングス

低いROEの原因は、持ち合い株以外にもある

2008年3月21日(金)

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 日本の損害保険会社で、長年指摘されてきたのが、株主資本利益率(ROE)が低いという問題だ。ミレアホールディングスも中期計画で「資本効率の向上」を掲げているが、持ち合い株式の売却はそれほど進んでいない。

 このいわゆる「政策株」の毎期の評価損益は、損益計算書の利益には反映されず貸借対照表の資本に直入されるため、その分、株主資本が膨らみ、当期純利益を自己資本で除して算出するROEを低下させる要因になっている。

 ミレアでは、貸借対照表に計上している国内株式の時価評価額、約4兆6000億円の大半が政策株という。これら株式の簿価は約1兆1400億円のため、会計上、時価と簿価の差額を毎期、資本に直接計上している。株式市場の動向次第ではあるものの、含み損益から税相当額を控除した後の2兆円以上が、ROE計算上の分母になる自己資本として上積みされる。

 世界では損保会社のROEは20%前後が普通であるのに対し、巨額の政策株を抱える日本の大手損保会社では平均5%程度なのも、政策株式が原因の1つであると言われる。ROEが低いということは、株主にとっての投資効率が悪いということであり、株式市場での競争力を損なう要因にもなる。業界最大手のミレアでは、2008年3月期のROEについては業務改革のコストがかさむためもあって、3.6%を見込んでいる。

利益成長に欠かせないM&A

 保険の世界では、国内市場は飽和状態にある。規模を生かした利益成長には海外への進出が欠かせないが、ミレアはM&A(企業の合併・買収)による攻めの経営を志向している。例えば2007年12月、国内であれば日新火災海上保険ほどの規模の損保会社である英国のキルン(本社・英領バミューダ)を1061億円で買収し、完全子会社化した。ちなみに、キルンのROEは2007年6月中間期、年率換算で14%だった。

 世界水準との比較という観点で言えば、政策株評価損益の影響がROEの算出に対して大き過ぎるため、日本の損害保険会社の収益力は見えにくい。だが欧米の保険会社には政策株のような位置づけの資産はない。

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「ミレアホールディングス」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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