「家食」が流通業界で密かな話題になっている。
小麦の国際価格の高騰を背景に、昨年11月、パスタや小麦粉の価格改定に踏み切った日清フーズ。値上げの反動による売り上げ減を覚悟していたが、ふたを開けてみれば、1月、2月と前年同月に比べて、それぞれ10%以上の売り上げ増だった。
同社は3月1日にも家庭用・業務用のパスタ、パスタソース、冷凍食品などの再値上げを実施している。家庭用パスタで約15〜20%、業務用パスタでは約30〜40%と、値上げ幅は決して小さくなかったが、やはり現状では目立った反動はないという。
パスタの原料になるデュラム小麦。その価格はこの10カ月で5倍以上に高騰している。穀物相場の高騰は既に消費者の知るところ。広がる食料品の先高感を受けて、今のうちに商品を買いだめしようと考える消費者も少なくない。需要の先食いという面は確かにある。
ふりかけ、パスタ、佃煮などが売れ行き好調
ただ、日清フーズの岩崎浩一・営業本部長は別の見方を取る。それは、消費者の「家食回帰」。「外食や出来合いの惣菜ではなく、家で食事を作る消費者は間違いなく増えている」と岩崎本部長は語る。実は、こう考えるのは日清フーズだけではない。
ふりかけや茶漬けで知られる丸美屋食品工業。同社の1月、2月の売り上げは前年同月比20%以上の伸びを見せている。主力商品のふりかけでは、1〜2月で120%増。茶漬けは127%、麻婆豆腐の素などの惣菜の素は118%、釜飯も128%とそれぞれ増えている。「今年に入ってからの伸びはかなりのもの」と同社の広報宣伝室の横山茂室長は言う。
ちなみに、お茶漬けで知られる永谷園も1月以降、全体で二桁以上の売り上げ増。「ごはんですよ」で有名な桃屋も10月以降、のり佃煮は10%を超える拡大。キッコーマンの和食惣菜のもと、「うちのごはん」の売れ行きも前年同月比で30%以上増えている。
同じことは、小売りの現場でも見て取れる。食品スーパーのサミット。1月の既存店売上高は前年同月比で100.2%、2月も102.5%と100%を超えた。2月は閏年で1日多かったが、「相対的に割安な手作り食材の需要が高まっている」(サミット広報室)と見る。
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