「ニュースを斬る」

ギョーザ問題など逆風続く食品業界に追い風

材料費値上げも「家(うち)食回帰」の動き

バックナンバー

2008年3月25日(火)

1/2ページ

印刷ページ

 「家食」が流通業界で密かな話題になっている。

 小麦の国際価格の高騰を背景に、昨年11月、パスタや小麦粉の価格改定に踏み切った日清フーズ。値上げの反動による売り上げ減を覚悟していたが、ふたを開けてみれば、1月、2月と前年同月に比べて、それぞれ10%以上の売り上げ増だった。

 同社は3月1日にも家庭用・業務用のパスタ、パスタソース、冷凍食品などの再値上げを実施している。家庭用パスタで約15〜20%、業務用パスタでは約30〜40%と、値上げ幅は決して小さくなかったが、やはり現状では目立った反動はないという。

 パスタの原料になるデュラム小麦。その価格はこの10カ月で5倍以上に高騰している。穀物相場の高騰は既に消費者の知るところ。広がる食料品の先高感を受けて、今のうちに商品を買いだめしようと考える消費者も少なくない。需要の先食いという面は確かにある。

ふりかけ、パスタ、佃煮などが売れ行き好調

 ただ、日清フーズの岩崎浩一・営業本部長は別の見方を取る。それは、消費者の「家食回帰」。「外食や出来合いの惣菜ではなく、家で食事を作る消費者は間違いなく増えている」と岩崎本部長は語る。実は、こう考えるのは日清フーズだけではない。

 ふりかけや茶漬けで知られる丸美屋食品工業。同社の1月、2月の売り上げは前年同月比20%以上の伸びを見せている。主力商品のふりかけでは、1〜2月で120%増。茶漬けは127%、麻婆豆腐の素などの惣菜の素は118%、釜飯も128%とそれぞれ増えている。「今年に入ってからの伸びはかなりのもの」と同社の広報宣伝室の横山茂室長は言う。

 ちなみに、お茶漬けで知られる永谷園も1月以降、全体で二桁以上の売り上げ増。「ごはんですよ」で有名な桃屋も10月以降、のり佃煮は10%を超える拡大。キッコーマンの和食惣菜のもと、「うちのごはん」の売れ行きも前年同月比で30%以上増えている。

 同じことは、小売りの現場でも見て取れる。食品スーパーのサミット。1月の既存店売上高は前年同月比で100.2%、2月も102.5%と100%を超えた。2月は閏年で1日多かったが、「相対的に割安な手作り食材の需要が高まっている」(サミット広報室)と見る。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント7 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

篠原 匡(しのはら・ただし)

昭和50年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、日経BP社に入社。以後、主に「日経ビジネス」の記者として活動している。趣味は競艇と出張、庭いじり。著書に『腹八分の資本主義』(新潮社)、『おまんのモノサシ持ちや』(日本経済新聞出版社)がある。



このコラムについて

ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、NBonline編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内