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足元揺らぐ「プラズマ陣営」

パイオニアショック、部材各社に撤退圧力

  • 坂田 亮太郎, 星 良孝

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2008年3月31日(月)

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薄型テレビ市場で液晶テレビと争ってきたプラズマテレビが揺れている。
陣営にショックだったのは、草分けであるパイオニアの撤退や市場の減少。
日本勢が圧倒的に強かった部材でも、撤退や縮小が目立ち始めた。

 「パイオニアには『どうしてくれるんだ』と言いたいですよ。期末直前のこの時期に撤退を発表するなんて…。部材メーカーはこれから、どう生き延びていったらいいのか」

 3月7日、パイオニアがプラズマパネルの自社生産から撤退すると発表したのを受け、取引メーカーに動揺が広がった。冒頭のコメントはパイオニアと長く取引してきたある部材メーカーの幹部が、ため息交じりで漏らした一言だ。このメーカーはプラズマパネル向けの部材が売り上げの大半を占めるため、主要な取引相手を失うことは死活問題となる。

採算割れで「撤退は自然」

 実際、プラズマパネル向け事業から脱落する部材メーカーも現れ始めた。パイオニアの発表から3日後の10日、三井化学は電磁波などの放射を防止する「光学フィルター」事業から3月末で撤退すると発表した。

 三井化学にとって光学フィルターは利益率の高いデジタル素材の主力製品。プラズマテレビの市場拡大が始まった2001年度から光学フィルターの本格的な生産を開始し、2006年度には250億円を売り上げた。

 三井化学はシェア3割で世界トップであったが、内情は苦しかった。薄型テレビの店頭価格は年率で2~3割も下落する。当然ながらセットメーカーから部材メーカーに対する値下げ圧力も苛烈を極め、2007年度はトップの三井化学でさえも採算割れに陥るほどだった。同社は2008年度の新モデル向けの受注活動を既に停止しており、製品在庫も廃棄処分する。

 「われわれ部材メーカーはこれまでずっと我慢比べを強いられてきた。既にプラズマテレビ市場は成長が鈍化したのだから、撤退はむしろ自然の流れ」(三井化学)

 この言葉が今のプラズマ市場を象徴している。プラズマテレビ向けの部材では、日本メーカーが世界市場を席巻しているものが少なくない。ガラス基板や保護膜はほぼ100%のシェアを占めており、電磁波防止材でも日本メーカーが過半を握っている。高い技術力を背景に、顧客であるセットメーカーの要望にきめ細かく応えてきた結果だ。

 にもかかわらず苦境が目立つのは、価格下落による負の連鎖がセットメーカーから部材メーカーに伝播してしまっているためだ。

 「撤退も検討課題になっている」と漏らすのはJSRだ。同社は液晶テレビ向け部材の主要サプライヤーで、「保護膜」や「顔料分散レジスト」などで高いシェアを確保している。プラズマテレビ向けにも「ドライフィルム」などを提供してきたが、主な売り先だったパイオニアがパネル生産から撤退することになった。プラズマ向け事業はもともと小さかっただけに、戦略の見直しは必至の情勢だ。

 ディスプレー業界に詳しい野村証券金融経済研究所の御子柴史郎シニアアナリストは「撤退が正しい判断」と指摘する。同氏の試算によると、JSRは2008年3月期にプラズマ向け部材で約50億円の売り上げを見込んでいるが、利益はほとんど出ていない。

 「来期の売り上げは30億円まで減って、赤字に陥るのはほぼ確実。連結ベースで見れば売り上げは若干減るが、撤退する方が全体の利益率は下がらない」と分析する。

 JSRだけでなく、日立化成工業などほかのメーカーもプラズマ向け部材の採算が急速に悪化している模様だ。

縮む市場は嘆きの森に

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