社会保険庁を巡り、年金記録の不備に続く第2の爆弾が炸裂しそうだ。
社保庁が3月末にまとめた職員の「服務違反」を巡る内部調査の中間報告が、物議を醸している。職員としての給料をもらいながら組合活動に専念する「ヤミ専従」が、2007年までの10年間に30人いたというのが内容。社保庁はその30人に給与を返還させるうえ、ヤミ専従を黙認していた管理職を含めて懲戒処分にするとしている。
組合が早手回しに出たワケ
ところが、この報告が出る10日ほど前、社保庁の最大労組である「全国社会保険職員労働組合」が突然記者会見に臨んだのだ。前身である旧自治労国費評議会時代に、27人のヤミ専従が存在した事実を認め、ヤミ専従で不正に受け取っていた給与の総額、約7億5000万円を、同労組が社保庁に自主返納すると発表したのだ。組合が早々と非を認めるのも異例だが、億円単位の多額の返金まで表明するのは前代未聞と言っていい。
この早手回しに収まらないのが、中間報告を受けた政府の「年金業務・組織再生会議」(座長・本田勝彦日本たばこ産業相談役)。報告では、ヤミ専従は東京の社会保険事務局が17人、大阪が12人などとなっていたが、委員の間からは「東京と大阪だけのはずはない」「10年より以前にさかのぼって調べるべきだ」といった声が噴き出した。京都などほかの地域の社会保険事務所でもヤミ専従が続いていたとの見方を強めている。また、許可を受けずに不動産所得を得ていた「兼業」違反などもかなりの数に上ると見ている。
再生会議の委員の1人によると、ヤミ専従による不正受給の総額は「(組合が返納を決めた)10倍の75億円になってもおかしくない」という。組合側も「悪しき労使慣行として続いてきたもので、組合が勝手にやっていたわけではない」とし、長期にわたり二人三脚で不正が続いていたことをうかがわせる。座長の本田氏も「徹底的に調べろ」と社保庁に指示しているようだ。
実は、徹底調査を求めているもう1つの勢力がある。自民党の「年金行政改革推進議員連盟」だ。中川秀直・元幹事長を会長に、塩崎恭久・元官房長官や菅義偉・前総務相ら、安倍晋三内閣を支えた面々が名を連ねている。
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