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【焦点を聞く】ネット規制、親が守れないなら国が守る!

高市早苗衆院議員に直撃インタビュー

2008年5月7日(水)

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「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」、略して青少年ネット規制法案。この法案が、ネット業界に大きな波紋を呼んでいる。ネット関連企業や団体からは相次いで反対声明が出され、臨戦モードが漂い始めている。ネット業界から噴出する異論反論に、法案策定の中心人物である高市早苗議員が答える。

--そもそも、今回の法案を提出することになった理由を教えてください

高市早苗衆院議員

高市 早苗(たかいち・さなえ)氏
衆院議員、自由民主党青少年特別委員長

1961年生まれ。神戸大学経営学部卒業後、松下政経塾で学び、88年に渡米。米連邦議会の立法調査官として働く。93年の衆院選で、トップで初当選。94年自由党を経て新進党へ移ったが、96年11月に離党。翌月自民党へ。2004年に山本拓代議士と結婚。06年安倍晋三内閣で内閣府特命担当大臣を務めた
(写真:的野 弘路 以下同)

 もともと、この法案を作ろうと思った背景には、この2年余りの間に選挙区で聞いて歩いた有権者の声があります。子供たちの安全確保や地域活性化のためには、情報通信インフラの整備やITスキルの育成が不可欠なのですが、その前提として安全なインターネット環境整備の必要性を実感したのです。

 例えば私の選挙区の山添村は、広大な面積を持つ山間部ですが、小学校が統合されてしまい、子供たちはバスや自転車で通学しています。道中にはお店もなければ人家もない。万が一、事故が起きても公衆電話は遠く、子供の安全を考えると携帯電話は必要なのですが、不通地域が多い。アンテナ設置も着手したばかりです。

 それから、親にもITのメリットを享受してもらいたいとの思いもありました。私自身がIT担当大臣として、取りまとめた「テレワーク人口倍増アクションプラン」を推進して山間部であれ離島であれ、パソコンを活用して企業や県庁の仕事を請け負えるようにしたい。子育て中のお母さんが、子供が寝ている間だけでもネットで仕事が続けられるような環境を整えたいと考えています。

 そのために、ブロードバンド環境の整備はもちろんですが、子供のうちからパソコンを使いこなせるスキルを習得させる情報教育を推進したいと考えていました。離島・山間部では周りに社会学習施設も少ないですから、遠隔授業などで多様な学習を受けられるようにもしたいのです。

 ところが、こうした話を地元でしますと、小学生の保護者の方々からこんなことを言われてしまったのです。「学校でそんなことを教えて、万が一有害な情報に触れたりすることをどう考えるのか」と。メリットよりも、むしろ「インターネットって危ない」という捉え方が、根強くありました。

 そして、色々な場所で子育て中のお父さんお母さんの話を聞いていくうちに、次第にこう思うようになっていきました。ITを存分に活用して国の競争力をつけ、子供の教育にも活用していくためには、まずリスクの部分をできるだけ克服して、親に安心感をもってもらうことが大事だと。

 加えて、もう1つ。ネットを巡って今、色々な犯罪が起きています。子供が被害者になるケースも随分ありますけど、加害者になってしまうものもありますね。爆弾の作り方をサイトでみて、実際に教室で爆発させてしまった事件がありました。家出サイトなんていうのもあって、サイトの情報を信じて家出をした子供が性的暴行の被害者になったり、集められた少女たちが窃盗の共犯をやっていたという事件もありました。

 犯罪の発生は、社会的コストの増大につながるのは言うに及ばず、このままでは日本の売りである「安心・安全」も棄損されてしまいます。対日投資推進政策や観光立国政策を考えると、安全という価値は手放したくない。その思いもあって、まずインターネットの負の側面から子供を守るのが大事だと考えるようになりました。

 そして、負の側面を解決することが、むしろ将来的には情報通信の真の発展に寄与する、という結論に至ったわけです。

ネットには違法な情報がいっぱい

--一方で、多くのインターネット関連企業は今回の法案に反対声明を出しています。ブログやSNSなど、書き込み可能なサイトは、いつこの法律案に規定される情報が書き込まれるか分かりません。よって、何も無くてもこの法律対策をとる必要に迫られることになります。その場合、実効性のある年齢認証が求められることになると、採算が合わず撤退する企業が増える可能性があります。つまり、法益が実現するとしても、インターネットのサービス自体に大きな打撃を与え、産業への影響が大きすぎるのではないでしょうか。

コメント38件コメント/レビュー

「子供を守る」が賛成派にとって錦の御旗のように言われているが、過去に同じような経緯で起こった「有害図書撲滅運動」によって、結局青少年の犯罪発生は低下しなかった。違法情報の削除を進める法整備は必要と思うが、有害情報の規制は青少年の犯罪発生に寄与しない。有害情報を見た人が必ず犯罪を犯すわけではない。(古い話で恐縮だが、三島由紀夫の割腹自殺で後追い自殺が発生した。このような情報は規制すべきか?)子供に対してはそのような情報を受取った時に適切に対応できる様、まず親が教育することが先決。それができないというのは親の怠慢であろうと思う。(2008/05/09)

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「【焦点を聞く】ネット規制、親が守れないなら国が守る!」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

「子供を守る」が賛成派にとって錦の御旗のように言われているが、過去に同じような経緯で起こった「有害図書撲滅運動」によって、結局青少年の犯罪発生は低下しなかった。違法情報の削除を進める法整備は必要と思うが、有害情報の規制は青少年の犯罪発生に寄与しない。有害情報を見た人が必ず犯罪を犯すわけではない。(古い話で恐縮だが、三島由紀夫の割腹自殺で後追い自殺が発生した。このような情報は規制すべきか?)子供に対してはそのような情報を受取った時に適切に対応できる様、まず親が教育することが先決。それができないというのは親の怠慢であろうと思う。(2008/05/09)

この議員さんや議員さんに賛同する方々は、大切なことを忘れている。それはネットに限った問題ではない。子どもは禁止されていることをやりたがるものです。それが子どもです。そして、それを知らないものは教育を語るべきではない。法で規制しても、それは子どもの好奇心を刺激するだけです。親が親として子どもに接することが出来る機会を増やすことのみが有効です。(2008/05/08)

有害な発言コメントなのか有害な発言コメントでないのかを判断するのが1つの機関というのは最悪だと感じました。なぜならたとえばこのニュースに関して批判的なコメントも多いです。このコメントの受け手はこれがいじめと感じて機関に通報してその機関がこれはいじめで有害と判断したらこのサイトはフィルタリングですか?(2008/05/08)

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三品 和広 神戸大学教授