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ドコモ、独り負けゆえの増益

新規顧客で補う「携帯事業モデル」は転機に

  • 小笠原 啓,鈴木雅映子

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2008年5月12日(月)

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競争が激化しても3社の利益率は向上

 NTTドコモの2008年3月期連結決算は売上高が前の期比1.6%減の4兆7118億円、営業利益が同4.5%増の8083億円と減収増益だった。会社の営業利益予想を283億円上回っており、今期も2.7%の営業増益を見込む。

 2006年秋のナンバーポータビリティー(番号継続)制度導入以降、「独り負けと言われても仕方がなかった」(中村維夫社長)という状況の中での減収増益。だが皮肉にも、利益が上ぶれした要因の1つは、独り負けだったことだ。

 携帯事業者は新規顧客を獲得するため、契約時に様々な販促費をかける。そのため、新規契約数が減るほど利益は一時的に増えるという現象が起こる。ドコモはまさに、最大の商戦期である3月に「思ったよりも数が出なかった」(坪内和人取締役)のだ。

販売奨励金方式なら減益?

 ドコモを増益にしたもう1つの要因は、昨年11月に導入した新販売方式だ。従来は、端末販売時に販売奨励金を積んで販売価格を下げ、それを毎月の通信料から回収するモデルだった。

 新販売方式では、端末購入価格と通信料金を分離。通信料金を下げる一方で端末料金を引き上げ、併せて端末の割賦販売を導入した。この方式を導入することは、ドコモの収益構造を大きく変える。短期的には販売奨励金による損失がなくなるため、増益効果をもたらす。ドコモによると、最新の「905iシリーズ」端末を購入した顧客の96%が新販売方式を選択したという。これが営業利益を押し上げたのだ。

 クレディ・スイス証券の早川仁リサーチアナリストは、「割賦販売の導入がなければ、減益だった公算が大きい」と指摘する。今期の増益予想も、割賦販売が増えることによる利益押し上げ要因が大きいという。

 だが、JPモルガン証券の佐分博信シニアアナリストは「割賦による増益効果が期待できるのは2010年3月期までではないか」と予想する。以降は、通信料金引き下げによる減収がドコモの懐を直撃することになる。前期に導入した家族間通話無料サービスや、長期契約を前提に月額基本料を50%割り引くサービスへの移行が進むためだ。

 ドコモは2009年3月期の加入者1人当たりの通信利用料を、月額平均5640円と予測している。前期の6360円と比べ、実に11%下がる。

 割賦による端末収入は別途入るものの、長期的に見れば、加入者1人当たりの音声通話収入が下がり続けるのは業界の共通認識だ。

 ドコモなど携帯各社は「iモード」や「着うた」など、データ通信に力を入れることで音声収入減少による打撃を和らげてきた。しかし、パケット料金の定額制により、データ通信収入の天井感が出ている。伸び率もそれほど期待できる状況にはない。

 これまで携帯各社が成長を続けられたのは、ひとえに加入者が増え続けてきたからだ。多大なコストをかけて新規顧客を獲得して加入者数を増やせば、1人当たりの通信料金が下がっても長期的には増収となり帳尻が合った。

 だが、もはやそんな時代ではない。昨年、携帯電話の加入が1億件を超え、加入者の増加ペースは鈍っている。KDDIの小野寺正社長は2008年3月期決算発表の席で、「前年度は国内市場全体で601万件の新規加入があったが、今年度は約390万件にとどまる」と予測した。新規加入を伸ばすKDDIですら、市場の変調を痛感している。

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