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特捜部は政治家に迫れるか?

  • 児玉 博

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2008年5月12日(月)

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 一度消えかかったロウソクの灯が燃え立とうとしている。

 防衛省の頂点に君臨していた前事務次官、守屋武昌の逮捕に至りながら、その後、ピタリと動きを止めていた防衛商社「山田洋行」をめぐる防衛省汚職事件が再び動き始めた。

 守屋逮捕を機に事件を手がける東京地検特捜部は止まった。それからおよそ5カ月。事件そのものを忘れるには十分過ぎるほどの時間だ。

 そしてようやく特捜部は、寝た子を起こすように防衛利権の黒幕の1人と目される「日米平和・文化交流協会」理事の秋山直紀氏の逮捕に向けて準備に入っている。

 今年1月に外交防衛委員会に参考人として招致され、議員たちの追及を淀みない口調で否定し続けたのが秋山氏である。黒幕と呼ばれるにふさわしいほど秋山氏の影響力は政治家、防衛官僚、そして防衛産業を担う商社などにも及んでいた。

 その秋山氏逮捕に向けて特捜部が動いているということは、秋山氏とは「お神酒徳利」とまで言われ不即不離の関係にある政治家、久間章生衆議院議員をも視野に入れていることを意味している。 

 当初、特捜部は大掛かりな仕掛けを想定していた。守屋の逮捕を皮切りに、防衛利権を貪った政治家、政治家周辺の利権屋、そして「山田洋行」を政治銘柄にしてしまった同社のメインバンクだった旧住友銀行(現三井住友銀行)の最高幹部だった者まで捜査の対象としていた。その中には安倍晋三前首相の元秘書も含まれていた。

 今まで政治の厚く高い壁の前に切り込むことができなかった特捜部はこの事件を千載一遇のチャンスとし、防衛をめぐる構造的な利権犯罪を暴こうとした。特捜部内は意欲に満ちていた。

 ところが・・・。

 目に余る政治腐敗を前に東京地検内に「特別捜査部」が誕生したのは1947(昭和22)年。
巨悪に対し、とりわけ政治絡みの贈収賄摘発を主眼にして設置された特捜部であったが、その捜査の前に立ちはだかり続けたのは政治の力であった。ある意味、政治との妥協の産物が特捜部の掲げる「正義」でもあった。

 「巨悪は眠らせない」と明言を残したのは検事総長、伊藤栄樹氏だった。後に住友銀行と合併することになる平和相互銀行をめぐる汚職事件を内偵していた当時、検事総長の任にあった伊藤氏が建てた東京・杉並の新居には住友銀行によって根抵当が設定されていた。新居が完成したのは伊藤氏が退官した数日後であった。

 伊藤氏だけでなく、後に「特捜の鬼」とまで持てはやされ検事総長に上りつめる吉永祐介氏などが住友銀行の政治担当幹部と麻雀卓を囲んでいる姿を目撃した者も少なくない。

 露骨な政治介入こそ影を潜めたものの、検察統治論的な考えが、つまり検察は紛れもなく内閣の一翼を担う存在であり、ゆえに捜査対象の選別にその意思が働いても不思議ではない。検察上層部に敷衍している現状を考慮するならば、先行きおぼつかぬ福田内閣瓦解の背中を押すような捜査に上層部が首を縦に振らなかったのことは十分に想像できる。

 そしてもう1つ。

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