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改革の司令塔、今や「骨抜き」

問われる経済財政諮問会議

2008年5月20日(火)

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 構造改革の「司令塔」と言われてきた経済財政諮問会議に猛烈な逆風が吹いている。小泉政権時代には首相の強力なリーダーシップの下、郵政民営化を強力に推し進める役割を演じ、抵抗勢力を封じ込める舞台として脚光を浴びた。だが福田内閣になって改革を引っ張る姿が薄れ、むしろ抵抗勢力の巻き返しの場といった光景すら目立つ。諮問会議が中心になって改革を進める手法に対し、民主党からは議会軽視との声が上がり、国民新党からは廃止を求める法案まで提出される始末。日本の改革後退が懸念される中、改革の牙城は守られるのか。

国論二分の問題を回避

 小泉時代に経済財政担当大臣などとして諮問会議をフルに使いこなした竹中平蔵・慶応義塾大学教授は、諮問会議が弱体化している理由を「国論を二分する大問題を取り上げないからだ」と指摘する。既得権者などの反発が強ければ強いほど、逆に改革を強く支持する声が生まれるというのだ。

 確かに小泉―竹中ラインの諮問会議は違った。まず改革案の骨子を「民間議員ペーパー」の形で諮問会議に提出、各省庁から出てくる異論を竹中大臣や民間議員で封殺し、最後に首相の決断で改革を決める。そして予算の大枠を定める「骨太の方針」に盛り込み閣議決定する手法を取った。既存の仕組みに固執する霞が関の官僚には、「総理指示」や「閣議決定」は大きな威力だ。改革に何らかの答えを出さざるを得なくなるからだ。

 だが、今の諮問会議は様子が違う。「民間議員の改革案の威力が衰えた」という声は多い。御手洗冨士夫氏が会長を務める日本経団連が外資導入などの改革に慎重姿勢を見せることも影を落とす。改革の旗を振る伊藤隆敏・東京大学教授や八代尚宏・国際基督教大学教授の空回りぶりが目立っている。

 会議の本番でも議論が激突することは稀になった。事前に関係省庁が反論を用意し、役所主導のペースで進むことが増えた。メンバー以外の大臣が臨時委員として加わることも多いが、役所の意見の代弁がほとんど。これは霞が関の声をよく聞く町村信孝・内閣官房長官の“仕切り”が大きい、という。

 今の諮問会議でも国論を二分しかねない大テーマが俎上に上らなかったわけではない。農業や空港の大幅な自由化や法人税率引き下げなどは民間議員が持ち出している。だが、そうした分野の思い切った改革案が今年の「骨太の方針」に改革の目玉として盛り込まれる可能性は低そうだ。

 そんな諮問会議に、外野からの攻撃は強まる一方だ。医療改革を批判してきた民主党の櫻井充・参院議員は「権力集中で小泉―竹中独裁を許した諮問会議政治の失敗が今の医療崩壊を生んだ」と手厳しい。財務省OBの西村吉正・早稲田大学教授も「民間議員が国家経営の能力があるのか疑問。素人が基本方針を決める世界に例のない仕組みだ」と切り捨てる。

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「改革の司令塔、今や「骨抜き」」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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