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堅め予想に透ける深謀遠慮

上場企業、2009年3月期は7期ぶり減益へ

  • 中島 募,鷺森 弘,中原 敬太,大西 孝弘

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2008年5月21日(水)

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 「今期は異常事態だ」。コマツの野路國夫社長はため息交じりにこう話す。

 資源高に伴う世界的な建機需要拡大の恩恵を謳歌してきたコマツ。2008年3月期の連結決算は営業利益が前の期比36%増え、6期連続で増収増益を達成した。2009年3月期も、伸びは鈍るが8%増益を確保する見通しだ。

 それでも野路社長の表情は冴えない。企業自らの努力ではどうしようもない外部環境の変動要因があまりにも大きく、「業績予想を出すのが非常に難しかった」というのだ。

 上場企業の3月期決算の発表がヤマ場を越えた。注目の今期見通しでは、9期ぶり営業減益となるトヨタ自動車を代表例に数年ぶりの減益予想を提示する有力企業が続出。過去6年続いたニッポン株式会社の連続増益記録が、ついに途絶える公算が大きくなった。

 企業にとってさらなる悩みの種は、業績の計画や見通しが立てにくくなっている点にある。米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した世界経済の腰折れ懸念と円高の行方。そして、原材料価格の高騰という3つの外部環境の逆風が、どこまで進むか読みきれないためだ。

 米景気の代表的な指標である米新車販売台数の2008年4月の実績は前年同月比7%減の124万6554台。6カ月連続の前年割れで、北米の消費動向は予断を許さない。

景気減速、円高、原料高 3つの逆風が業績を直撃

為替レートにこれだけの差

 頼みの綱の北京五輪商戦も期待したほど盛り上がっておらず、電子部品の在庫は積み上がりつつある。電子部品メーカーは、村田製作所の31%減を筆頭に、軒並み営業減益を予想する。TDKの上釜健宏社長は「五輪後に中国景気が冷え込んで、一気に減速する可能性もある」と警戒する。

 円相場の先行きとなると、さらに不透明だ。実際、業績予想の前提となる為替レートが1ドル=95~105円と、企業ごとにバラツキが大きいことが先行きの読みづらさを象徴している。

 こうした状況の中で、業績予想の開示を見送る企業も増えている。

 今期の業績予想をやめた半導体製造装置のアドバンテストは「売上高が200億円もぶれる月があり、予想を出すのは困難」(社長室)と説明する。前期に2度も業績予想を修正。昨年4月時点で600億円を予想していた営業利益は、結果的に227億円にとどまった。

 半導体市況や製造装置受注のぶれが激しく、為替動向が読みづらいのは今に始まったことではない。それでもアドバンテストが業績予想の開示をやめたのはかつてないほど複数の要因が絡み合っているからだ。

 不透明感を高める最たる要因は未曾有の原材料高だ。東京証券取引所に予想の開示について相談してくる企業は、今期は「原材料コストが読めないという理由が目立つ」(上場部)という。

 4月、自動車や家電など鋼材を調達するメーカーに衝撃が走った。日本の鉄鋼大手5社と豪英系資源大手BHPビリトンの価格交渉が、原料用石炭を前年度比 3倍にすることで決着。鉄鉱石も同1.8倍程度になる公算が大きい。

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長