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カーエレを主軸に「再・再編」狙う

ケンウッド・河原会長が明かすビクター統合後の針路

  • 中原 敬太

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2008年5月21日(水)

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 日本ビクターとケンウッドは12日、10月1日付で経営統合することを発表した。持ち株会社の会長兼最高経営責任者(CEO)に就くケンウッドの河原春郎会長は日経ビジネスのインタビューに応じ、カーエレクトロニクス事業など4つの事業が収益を牽引することを強調。第三勢力を交えた一段の業界再編については「ホームオーディオ分野ではなく、カーエレクトロニクス分野を軸に進めていく」との考えを明らかにした。
 20日時点の時価総額はビクターが843億円、ケンウッドは437億円。両社の統合は家電メーカーの“弱者連合”との見方もある。しかし、カーナビゲーションやカーオーディオといったカーエレクトロニクス事業で両社が持つ高度な音響技術に加え、ケンウッドの無線技術、ビクターの映像技術が相乗効果を発揮すれば、高成長を実現できるという。
 河原会長は、RHJインターナショナル(旧リップルウッド)が売却を検討している中堅家電のD&Mホールディングスにも関心を示しているが、それもD&Mの車載分野での協業が見込めるからだ。
 12日の記者会見で「日本のAV(音響・映像)専業メーカーの成功モデルを作りたい」と語った河原会長。業界再編論者が次の一手を打つ日はそう遠くないかもしれない。
(聞き手は日経ビジネス記者 中原 敬太)

ケンウッドの河原春郎会長

ケンウッドの河原春郎会長

問 昨年7月の資本提携発表から経営統合の発表まで時間がかかった。この間、どういう議論をしてきたのか。

 「統合した時に向こう(ビクター)がしっかりしていないと、当社では支えきれない。ビクターが独り立ちできるしっかりした状態になることが先決だと、当初から考えてきた。そのためにやるべきことをやるということに、半年余り時間をかけた意味がある」

 「ケンウッドと(ケンウッドの筆頭株主でもある投資会社の)スパークス・グループが出資したことは、ビクターが構造改革を始めるきっかけなった。原資としてだけでなく、決心の引き金を引いたことは間違いない。その方法については、皆で議論してアクションプランを作り、ビクターは誠実に実行した」

 「表面には出ていないが、我々も手伝えることは協力した。例えばモーターの件(注1)がある。私は日本電産の永守さんとは10年来の関係で、和解の仲立ちをした」

(注1)2005年、日本電産はHDD用モーターの特許を侵害しているとして米カリフォルニア州北部地区連邦裁判所に提訴。一方、ビクターは2007年10月、同事業に関して独占禁止法違反で日本電産を米カリフォルニア州中部地区連邦裁判所に提訴した。両社は今年2月、和解し、双方の提訴を取り下げた。その後、ビクターはモーター事業部門を会社分割により分社化し、日本産業パートナーズに売却した。

国内テレビ縮小で踏ん切り

問 だが、この1年で液晶テレビを取り巻く競争環境は一段と激化した。

 「前期に、あそこまで利益を出せたのはコスト構造改革の成果だ。ただ想定外だったのは、ディスプレーとホームオーディオの悪化だ。これが利益を食いつぶしてしまったことは想定外だった。ディスプレーが悪化しなければ、3月末には経営統合を発表したかったが、1カ月延びた。しかし、ビクターが4月に発表した国内テレビ事業の大幅縮小は単なる努力目標ではなく、具体的な事業リストラ。この決断によって我々も、他の大株主も踏ん切りをつけられた」

問 河原会長はがビクターとの統合にこだわったのはなぜか。

 「(2002年3月期に債務超過に陥った)ケンウッドはリストラによって再生したが、デジタル化の時代において、カーナビゲーションにしてもホームオーディオにしても映像の技術が乏しいため、将来展望を開けなかった。車に搭載する機器はマルチメディア化している。ケンウッドには特許があまりないから、今のままでは多くの特許を保有する企業との競争で負けてしまう。映像技術を持つパートナーを得ることが、成長には必要だった」

松下の役割も大きかった

 「経営統合は相手があること。いったんあきらめていたが、ちょうど1年前に突然、話が復活した。投資ファンドは負債も含めて全部リスクを背負った形での買収になるため、経済原則では難しく、いくつものファンドが掛け合ったが話はまとまらなかった。我々がなぜ成功したかというと、ひとつは事業会社だからということだ。もう一つ大きかったのは、松下電器産業が完全に売り手というだけではなく、株主として踏みとどまってくれたこと。松下という後ろ盾によって金融機関が融資を継続してくれたことが大きかった。関係者がそれぞれリスクを背負うことで、初めて経営統合が実現した」

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