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アフリカ争奪戦、日本の備えは?

住友化学、ナイジェリアに蚊帳工場新設へ

  • 伊藤 暢人,小瀧 麻理子

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2008年5月26日(月)

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 住友化学は来年3月までに、ナイジェリアに蚊帳を生産するためのアフリカ第2工場を新設する。大手商社の双日はアフリカ南部のボツワナで太陽光発電プラント建設に向けた事業化調査に近く入る。

 5月28日から横浜市で開催される第4回アフリカ開発会議(TICAD)を目前に控え、資源供給地や消費地としてのアフリカの潜在力に注目が集まっている。そんな中、“眠れる大陸”の攻略に向け、複数の日本企業が布石を固めようとしていることが、日経ビジネスの調べで分かった。

日本勢の進出続く

世界の有名人集う蚊帳工場

今年3月、米ブッシュ大統領(左)が住友化学系の蚊帳工場を訪問。世界の著名人がタンザニアに集まる

今年3月、米ブッシュ大統領(左)が住友化学系の蚊帳工場を訪問。世界の著名人がタンザニアに集まる

 米ジョージ・ブッシュ大統領、元サッカー選手の中田英寿氏など世界の著名人が次々と訪れる施設が、アフリカ東部のタンザニアにある。それが住友化学が現地資本と提携して運営している蚊帳の工場だ。

 2005年1月にスイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でのこと。米女優のシャローン・ストーン氏が寄付を申し出たことをきっかけに、わずか10分で総額100万ドルの資金を集めたことがあった。実はこの時の募金は同工場などから蚊帳を買い取るためだったと言えば、その注目度がよく分かるだろう。

 なぜ、蚊帳がそれほど貴重なのか。それはアフリカ諸国が苦しむマラリアを予防する効果を持つからだ。

 住友化学がこの蚊帳を本格的にアフリカに投入したのは2001年のこと。殺虫剤の原料薬では日本最大手の同社が、その成分を樹脂に練り込み徐々に放出する特殊な蚊帳を作った。これが世界保健機関(WHO)で認められ、公的機関からの注文が相次いだ。

 当初は中国、ベトナムの工場から輸出していたが、2003年にタンザニアの繊維会社に関連技術を無償供与し、現地生産に着手。2007年2月には両社で合弁会社を設立して工場を増設した。現在、同国で3200人を雇用し、年1000万張りの生産能力を擁する。

 そして来年3月までにアフリカ西部のナイジェリアに進出し、生産能力を拡充する。「現地資本と提携し、最終的には年2000万張りの生産体制を整えたい」と住友化学の津田重典・執行役員は言う。

 ただ、この蚊帳は激しい価格競争にさらされている。当初は1張り5.6ドルだったが、中国製の廉価品に押され、今では4.8ドルに下がった。一方、原料の95%超は樹脂であることから、原油高も利益を圧迫し始めている。

 そこで、編み方を工夫して使用原料を15%程度減らしたり、従業員を訓練して不良率を抑えたりすることで、コストを15~20%削減する考えだ。「競争力を磨かなければ、事業を継続できない。社会貢献だからといって製品が高くても許される時代ではない」と津田執行役員は言う。社会貢献と利益の確保を両立させようと継続的に努力してきたことが、世界中の有名人を呼び寄せる結果となった。日本企業のアフリカ攻略の優位性はそこにある。

双日は太陽電池で事業化調査

 従来は、日本からのアフリカ諸国への支援は人道的な目的や寄付などに終始する傾向が強かった。1993年から5年に1回のペースで日本政府が中心となり開催してきたTICADも、国際連合の常任理事国入りを狙った日本の票固め運動の一環という側面があった。

 ところが、アフリカ側の変化もあり、この会議の性格は、今回で大きく変わる。外務省中東アフリカ局アフリカ第二課の岡田誠司課長は「アフリカ側は一過性の資金よりも投資を求めている。民間資金などを活用しながら、相手側が経済的に自活できるような支援を進めていきたい」と言う。

 政府から民間企業へ。支援の主体が変わろうとしている中で、日本企業はアフリカにおけるビジネスをどう展開すべきか。

 アフリカの魅力はまず資源だろう。プラチナなどの貴金属をはじめ、ダイヤモンド、石油、ニッケル、コバルト、パナジウムなどの地下資源の宝庫である。その資源の価格が高騰したことで、経済成長が加速している。2007年の経済成長率は全アフリカ平均で5.8%と予想され、経済協力開発機構(OECD)全加盟国の平均(2.7%)の2倍以上となる見込み。世界的な資源高を踏まえれば、今こそ布石を固めておくべき時期だろう。

 既に多くの商社が動いている。マダガスカルでニッケル鉱山開発の合弁企業を展開する住友商事、モザンビークでアルミ精錬の合弁事業を続ける三菱商事などが顕著な例だ。

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