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米国が世界の工場になる日

信越化学、コマツ…新興国需要・ドル安で輸出拠点に

  • 星 良孝

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2008年5月27日(火)

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 「サブプライム問題の影響はまだ製造業にはあまり及んでいないが、“ボディーブロー”のように、じわじわと効いてくるに違いない…」

 こんなボヤキが、日本のメーカーからよく聞かれるようになった。

 米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発する景気減速の影響がどこまで及ぶのか。メーカー関係者は今も戦々恐々としている。

 だが一方、米国の景気減速を逆手に取り、米国を輸出拠点としてうまく利用し始めるメーカーも出てきた。稼いだドルを米国に再投資して、輸出を拡大していく。そこには米景気の減速とは別の風景が広がっている。

*画像をクリックして拡大

サブプライム問題で米国からの輸出に弾み

信越化学は中東・アフリカへ

 住宅建材などに使う塩化ビニール樹脂で、世界のトップシェアを握る信越化学工業は、米国からの製品輸出を本格化している会社の1つだ。

 市況変動の影響を受けやすい塩ビと半導体向けシリコンウエハーを事業の柱にしながら、同社は9期連続の経常増益を実現した。要因としては、米国事業が失速しなかったことが大きい。

 2006年までは年間200万戸規模だった米住宅着工件数は、今年3月、サブプライム問題が表面化した後では最悪の年率換算95万戸と大幅にペースダウン。信越化学と米国で競合するジョージア・ガルフやウエストレイクといった米塩ビ大手は、軒並み大幅減益や赤字転落で苦境に喘いでいる。

 しかし、信越化学の米塩ビ製造子会社であるシンテックは、米国外への輸出が寄与して、昨年と同じように工場のフル操業を続ける。

 塩ビ事業の営業利益は若干減少したものの、強い逆風を受けた2008年3月期も、信越化学の売上高は5期連続、営業利益は13期連続でそれぞれ過去最高を更新した。

 金川千尋社長は説明する。「この1~4月は米住宅着工のマイナス幅がきつく、塩ビの米国内での販売は十数%落ちた。しかし、落ちた分を全世界で売り切ることができたため、もう6月末までは“ソールドアウト(売り切れ)”。利益は前年よりもやや上回っている」。

 工場の所在地である日本と欧州を除けば、米国からの輸出先は全世界に広がっており、とりわけ中近東やアフリカへの販売が好調。輸出はさらに拡大する見通しだ。

南米向け建機、日本発を代替

 化学メーカー各社が減益決算に追い込まれる中で、信越化学と同様、2008年3月期に2ケタ増益を達成したクラレ。実はクラレも、ガソリンタンクや食品包装の素材「エバール」樹脂について、米国からメキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリなどへの輸出を昨年から本格的に始めた。

 2008年3月期の金額は北米の売上高315億円のうち1割程度とまだ少ないものの、テキサス州ヒューストンの工場で生産能力を拡大中で、今後さらに輸出を増やしていく考えだ。伊藤文大社長は「クラレは中南米や欧州での販売高はまだ少ない。輸出拠点として、米国の工場は欠かせなくなる」と説明する。

 化学メーカーでは、住友ベークライトも、コネティカット州やミシガン州などにある工場からの自動車向けフェノール樹脂の輸出を拡大していく。

 こうした動きは、化学メーカーだけではなく、建設機械メーカー、自動車メーカー、食品メーカーなど幅広い業種に広がっている。

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