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第6回 騒音対策の呪縛に悩む成田の悲劇

2008年5月30日(金)

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 3314億円。2007年9月末現在までに費やされた成田空港周辺の環境対策金である。さる5月20日に開港30周年を迎えたばかりの成田空港。そこには、空港建設に匹敵するほどの巨額資金が、近隣住宅や学校などの騒音対策に使われてきた。30年の節目を機に、改めて成田空港問題を検証する。

成田市の団地

成田市の団地

 24時間発着が当たり前の世界の基幹空港に対し、成田の利用時間は6時から23時までの17時間に限定されている。おまけに用地買収の難しさから、思うように空港面積を拡張できないという現実もある。

 世界標準の4000メートル滑走路はA滑走路1本のみ。2010年3月、2本目のB滑走路が2180メートルから2500メートルに延伸されるが、その効果はさほど期待できない。結果、需要に応えられないキャパシティー不足が伝えられて久しい。

 同じ2010年の再拡張により40万回の発着枠に達する羽田に対し、成田は22万回にしかならないと酷評されてきた。世界40カ国が就航を希望している成田空港最大の課題が、この需要と供給のアンバランスだ。成田と羽田、首都圏空港におけるキャパシティー問題の解決策はあるのか。

同じ2本体制の英ヒースローの発着回数は成田の倍

 周知のように、成田空港の開港は1978年5月。ロサンゼルスからの到着便が、第1号となった。それ以来、米国東海岸までジャンボ機が飛べる4000メートル滑走路を擁した成田空港は、羽田に代わり、日本はむろんアジアの玄関口として国際路線を一手に引き受けてきた。

 しかし、オープンから2002年までの20年以上もの間、A滑走路1本しかなかった成田は、年間の発着回数が13万回に制限されてきた。その後、B滑走路が供用されたが、20万回という発着回数は世界の主要空港と比べるとあまりにも貧弱だ。

 国際線旅客数世界一のロンドン・ヒースロー空港は、年間50万回近い発着回数を数え、成田の2倍に当たる6135万人が国際線を利用している。ヒースローは滑走路の本数も成田と同じ2本だ。

 どちらも3891メートル級とはいえ、敷地面積も成田とほとんど変わらない。発着回数の違いは、24時間空港と夜間制限のある17時間空港という利用時間から生じる部分もある。が、それだけでもない。

 実は成田空港は、工夫次第で発着回数を飛躍的にアップできるという。そもそも成田空港そのものの試算でも、17時間利用で30万回の発着枠を確保できるというのだが、それは後に触れる。

成田の抱える不利

 「成田空港の問題には、米国の権益が大きすぎるという側面があります」

 成田の問題点について国交省の鈴木久泰航空局長は、以前のインタビューの際、こう話していた。あまり知られていないが、世界の主要空港と成田空港との違いの1つに、自国の権益が小さいという点がある。

 世界の主要空港では国内と海外の航空会社に振り分ける発着枠は半々、あるいは自国の方が大きいが、成田では海外より日本の航空会社の枠が小さい。具体的に言えば、成田の20万回の発着枠の内訳は、日本39%、米国27%、その他33%となっている。日本4対海外6の割合だ。

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