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支持率急降下、福田政権の課題

対談 中曽根 康弘 VS ジェラルド・カーティス(第1回)

  • 廣松隆志

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2008年5月28日(水)

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 後期高齢者医療制度や、道路特定財源の一般財源化問題で揺れた福田康夫内閣の支持率が20%前後に低迷している。問題は内政だけでない。海外では米大統領選挙の行方や、北京五輪開催を控えた中国での四川大地震やチベット問題などが次々と浮上。世界の激変を目前にした日本の国際的役割が問われようとしている。

 日本の政治はどこに向かおうとしているのか。日経ビジネス オンラインは、今年5月27日に90歳を迎えた中曽根康弘元首相と、中曽根元首相と親交があり、今年4月に『政治と秋刀魚』(日経BP社)で、自伝的に日本の政治史を書き起こした米コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授の両氏に、現在の政治情勢について対談してもらった。対談の模様を4回に分けてお届けする。

 第1回目は、内政問題を中心に語ってもらった。両氏は年内の解散総選挙について、自民党惨敗の恐れがあり、福田康夫首相が決断することは、まずないとする。その福田政権にとって、アフリカ地域の発展を議論するため5月28日から横浜市で開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD)、そして7月の洞爺湖サミットなど外交の場でリーダーシップを発揮できれば、内政の失策を挽回することも可能、という見方を披露する。

(聞き手は日経ビジネス オンライン編集長 廣松 隆志)

 ―― まず日本の足元の政治状況について。報道各社による5月の世論調査では、福田政権の支持率が2割前後まで下落している。4月末の衆議院山口2区補選での敗退には、後期高齢者医療制度問題で、自民党支持者の反発もあったとされている。福田康夫政権はもともと、衆議院と参議院の議席数で与野党の議席数が異なるねじれ現象の中で苦しい運営を迫られてきたが、改めて現在の支持率低迷の要因はどこにあると見ているか。

中曽根 康弘・元首相(左)とコロンビア大学のジェラルド・カーティス教授(右)

中曽根 康弘・元首相(左)とコロンビア大学のジェラルド・カーティス教授(右)(写真:清水盟貴 以下同)

 中曽根 福田政権は発足の経緯から、前政権の残務処理に追われ、人気が上がるような条件を持っていなかった。言い換えれば、小泉純一郎政権の時は非常に派手なパフォーマンスで、国民も巻き込んでいった。安倍晋三前首相は新しい日本の軸を振りかざして、憲法改正や教育改革を主張して打って出たが、病気で倒れてしまった。そこに突然、福田さんが政権を取ることになった。どういう政策で日本を料理し、世界に発言していくかという準備が必ずしもできていなかった。政権が発足してから、急いでいろいろ準備したという感じだ。

 こうしたことに加え、福田首相は2世議員なので、昔の政治家のように汗みどろで這い上がってきたというような、苦労をしていないようにも見える。昔の自民党や、本来の政治にあるはずの寒風の吹きさらす野原で、嵐と闘っても生きていくといった野性味がない。それが支持率が低下している一番の原因だ。

 カーティス (中曽根先生は)厳しいですね(笑)。1つは、今の福田さんには、昔の自民党の政治家のような嵐の中での闘い、何とかやるという性格を持ってないのでは。今の自民党の政治家は、良い意味で自民黄金時代の本当の政策の知恵とエネルギーが非常に少ない。これは制度的な問題だと思う。

中曽根 康弘・元首相

中曽根 康弘・元首相

 福田首相だけでなく、安倍前首相も2世議員。しかも2人とも官房長官はやったが、大臣の経験はない。昔なら考えられないことで、やはり総理大臣をやる方は、外務大臣か大蔵大臣などを何回かやって、それで党の仕事もして、やっとそれらしくなる。そういうプロセスがなくなったという制度的に大きな問題がある。

 もちろん福田首相が総理大臣になった時は、昨年の参議院選挙で民主党が第1党になったという非常に難しい状況だった。ただ、政治家は難しい状況の中で巧みな戦略を考えるのが義務だ。それは成功するための条件でもあるのに、どうも戦略すら見えない。最初は恐らく何とか民主党との協力体制を作ろうとしたが、だめだった。しかし、できなかったなら次にどうするか、という戦略がない。

 政治指導者は、国民に何をやろうとしているか説明し、説得する努力が非常に大事だと思う。例えば中曽根先生が総理大臣の時、米国との関係や日本の防衛問題でも、旧ソ連が軍艦にミサイルを載せてアジアに持ってこようとした時にも、レーガン米元大統領は許さないと言った。理由を国民にも説明している。そういった努力が見えない。

 現在は後期高齢者医療制度にしても、なぜ75歳以上の方々から別途、お金を取って診療報酬も払う必要があるか、全く説明がない。私は民主党との協力関係を作ることに民主党を説得することができなかった時点で、民主党のことを忘れて、国民を説得すればよかったと思う。国民を説得できれば民主党へのプレッシャーになった。ところが今の福田政権にはそういう巧みな戦略が見えない。だから支持率が下がるのも驚くことではない。

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