• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

防衛庁汚職と戦前の特務機関

  • 児玉 博

バックナンバー

2008年5月30日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 防衛省汚職事件の中心人物でありながらその経歴がはっきりしない。辣腕のイメージがあるものの、その実態がはっきりしない---。

 少々大仰な言い方をするならば影のような人物なのだ。防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸被告のことである。

 その影のような男がテレビカメラを前にして口を開いた。5月22日、参議院外交防衛委員会に証人として呼ばれ、疑惑の防衛フィクサー、秋山直紀氏について証言した宮崎被告の表情からは何か憑き物が落ちたかのようであった。

 財閥系が圧倒的に強い防衛産業界にあって弱小商社「山田洋行」を業界でも指折りの存在に一代で育て上げたのは宮崎被告にほかならなかった。

 不動産業、貸しビル業などを手広く営む山田グループの中核をなす「山田洋行」を切り盛りした宮崎被告の手法は独特であった。山田グループ内にあって「山田洋行」はさながら宮崎の独立王国であった。その統治は徹底していた。

 宮崎被告は「山田洋行」の内情については他のグループ幹部にさえ決して明かすことはなかった。他のグループ企業との間には鉄のカーテンが引かれ、社員たちにさえグループ内の人間とのつき合いを禁じようとしていた。

 社員一人ひとりの動静を把握しているのは宮崎被告1人であり、横の連携はあまり持たれることがなかった。情報管制は徹底された。社員の視線の先には常に宮崎被告がいる、そういう体制を築き上げたのである。

 独立王国「山田洋行」内部でまるで独裁者のような相貌を見せる宮崎被告だが、防衛官僚などの接待で見せる腰の低さ、痒い所に手が届くように行き届いた気配りは別人を思わせるようだったという。

 防衛省、自衛隊幹部が海外出張ともなれば、空港までの出迎えに始まり、毎日ホテルから先方までの送り迎え、休日の観光案内、土産の世話までは常識として行われた。

 宮崎被告の徹底振りは、それが家族にまで及んだことだ。お中元、お歳暮はもちろんのこと、夫人の誕生日、結婚記念日、子供の誕生日などにも欠かさず何がしかの付け届けがあった。これはと宮崎が狙いをつけた防衛官僚らはこうして宮崎の術中に落ちていった。

 宮崎被告の“ビジネスモデル”の源流をなしたのは元参議院議員、故田村秀昭氏だった。

コメント0

「児玉博の「見えざる構図」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リストラなどつらい経験もありましたが、多くの山に登ったことで、別の景色が見えやすくなりました。

吉田 秀俊 VAIO社長