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消費者庁構想の死角
保護だけでなく自立も

  • 永井 央紀

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2008年5月30日(金)

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 政府の消費者行政推進会議が6月上旬にも最終報告書をまとめる。その柱は消費者保護の強化を掲げる「消費者庁」構想。食品や製品の安全から金融商品の取引まで幅広い分野の消費者問題を一手に引き受け、情報の収集や発信、対策の立案、他省庁への是正勧告などをこなす、強い権限を持った組織が誕生しそうだ。

 自民党の消費者問題調査会で会長を務める野田聖子・衆院議員は「日本は消費者行政を軽視してきた。供給者でなく消費者にウェルカムされるような新しい流れを作りたい」と語る。

 パロマ工業製の湯沸かし器ガス中毒死事故など、行政組織の間で情報が共有化されなかったために被害が拡大した過去の反省があるだけに、新組織への期待は大きい。消費者保護という理念の重要性に議論の余地はない。

 だが、この消費者庁という「新組織構想」に対しては警戒の声が少なくない。もちろん、取り締まり強化を恐れる悪質事業者や、権限を奪われかねない既存省庁からのものではない。そんな"警戒"は論外である。むしろ注目すべきは経済界の中心、日本経済団体連合会の中から聞こえる指摘だ。

 

経団連幹部の懸念

 御手洗冨士夫会長は会見では「消費者行政の一元化は産業界としても歓迎する」と述べている。だが、これは、官邸との共同歩調を重んじる表向きのものと考えた方がよさそうだ。経団連の別の幹部は「消費者保護という名目で、正当な経済活動が阻害されるのではないか」と懸念する。野田会長は「消費者保護による規制はまともな活動をしている企業には影響しない」と語るが、心配を払拭できないのは、そうと言い切れない事態が相次いでいるからだ。

 象徴的なのは、改正建築基準法や改正貸金業法、金融商品取引法、いわゆる「3K規制」と呼ばれる法律だ。いずれも消費者保護に関わる法律だったが、規制に萎縮した企業が相次ぎ、日本経済に想定以上のマイナス影響を与えた。そのうえ、規制強化が結果として官僚の天下り先の業容拡大につながっているケースもある。こうしたマイナス影響や官の肥大化によってかかるコストは、最終的には国民がかぶることになる。

 

触れられていない論点

 自民党の消費者問題調査会が3月にまとめた最終報告書や、5月に政府の消費者行政推進会議が公表した「素案」を読むと、消費者行政に不可欠なある論点がほとんど触れられていないことが分かる。

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コメント15件コメント/レビュー

消費者庁設立、消費者行政の一元化に当たっては、福田内閣総理大臣の言葉が大きく影響を与えているようであるが、このことがかえって国民や経済界からの反響につながっているように感じてならない。消費者基本法を下に、現在行われている、独立行政法人国民生活センターや、地方の消費生活センターでの現状と課題を把握し、国民に必要とされる施策を講じなければならないと思う。これらが把握された上で、必要以上のことも、不足するものもあってはならない。議論をする上で、国も国民側もこの現状を知った上での消費者の権利を訴えなければ、実現可能なものでなくなってしまうのではないだろうか。ひとつ、「3K規制」とあったが改正建築基準法は、消費者保護が一番の目的ではないかのように感じるが…どうなのでしょうか。(2008/05/31)

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消費者庁設立、消費者行政の一元化に当たっては、福田内閣総理大臣の言葉が大きく影響を与えているようであるが、このことがかえって国民や経済界からの反響につながっているように感じてならない。消費者基本法を下に、現在行われている、独立行政法人国民生活センターや、地方の消費生活センターでの現状と課題を把握し、国民に必要とされる施策を講じなければならないと思う。これらが把握された上で、必要以上のことも、不足するものもあってはならない。議論をする上で、国も国民側もこの現状を知った上での消費者の権利を訴えなければ、実現可能なものでなくなってしまうのではないだろうか。ひとつ、「3K規制」とあったが改正建築基準法は、消費者保護が一番の目的ではないかのように感じるが…どうなのでしょうか。(2008/05/31)

基本的に“御上”意識にのっかて“下々”は、「黙って御上の言うことを聞け」と言った意識に加えどうしようも無いほどの縦割り利権にしがみつく官僚と、“下々”の為になるかどうかより選挙の点数稼ぎになるかどうかを最大の評価基準とする政治屋がしたり顔して「消費者保護」を標榜しても信用できない。それより、企業が消費者に正しい判断が出来るよう、情報開示をさせるシステムを作り、不正を働いたきぎょうが厳しく断罪されるようにすることの方が大切なのではないだろうか。(2008/05/30)

客観的・公平性の高い記事で安心しました。>消費者を重視することは重要だが、それが心ある企業にまで不利益を与えてしまわないかと危惧している。この発言が全てだと思います。30年以上前の扇風機での発火の危険性までメーカーが告知しなければいけないかと思うと企業側の負担が大変となり、ひいては製品価格にもはね返って結局消費者に負担が戻ってくる。電気を使えば熱が発生するのは常識だということを知らない消費者がいるということでしょう。同じようなことは、医療の世界や教育の世界にも波及していて、訴訟リスクやモンスターペアレントを恐れて、難しい手術を避けたり、学校での運動(ちょつとしたケガでもクレームを発する親がいる)もできなくなってしまいます。「悪質な」企業、詐欺商法、医師としてのスキルが疑われる医者からは消費者を保護しなければならないが、「心ある」企業、困難な病気に立ち向かう医者を萎縮させるようなことのないよう、消費者も物事への本質的な理解を高める必要があると思います。企業も消費者もともに成長する姿が必要。(2008/05/30)

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三品 和広 神戸大学教授