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念願のiPhoneを獲得した舞台裏
ソフトバンク、トラウマ乗り越える

2008年6月5日(木)

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 約1年半におよぶ水面下での争奪戦に勝ったのはソフトバンクだった。音楽プレイヤー「iPod」と携帯電話が一体となった米アップルの「iPhone(アイフォーン)」。その日本での販売および通信を担当する契約を、ソフトバンクモバイルが米アップルと交わし、NTTドコモを退けた。

 「この度、ソフトバンクモバイル株式会社は、今年中に日本国内において『iPhone』を発売することにつきまして、アップル社と契約を締結したことを発表いたします」

 6月4日午後3時、ソフトバンクモバイルから発表されたリリースは、わずか2行。同社広報は「これ以上の情報は一切ない」とし、詳細は米アップルからの発表を待つこととなる。

 米アップルは6月9日から、米国サンフランシスコで開発者向けの会議を開催する。日本時間の6月10日早朝、この基調講演の場でスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、iPhoneの新製品が3G(第3世代携帯電話)に対応したこと、新たに世界各国の携帯電話事業者と契約を交わし、数十カ国でiPhoneが使えるグローバル・ネットワークが完成したことを発表する。

熱意と柔軟な方針が決め手に

 「どうやら日本でのiPhone発売が決まったらしい」。マスコミ関係者にそうした噂が広まったのは5月末。通信方式がほかの2社と異なるKDDIの「au」は早々に選択肢から外れ、ソフトバンクとNTTドコモのいずれか、あるいは2社からiPhoneが発売されるという憶測が巡った。

 孫社長にはトラウマがある。「ソフトバンク、アップルと携帯で提携、iPod内蔵機を開発、音楽配信切り札に」。2006年5月、新聞の朝刊1面にこんな見出しが踊った。同じ月、ある雑誌には「孫正義社長がアップルのスティーブ.ジョブズCEOと東京で極秘裏に会談を行った。(中略)『iPod』を、ソフトバンクの携帯電話に搭載しようという交渉ではないかとの噂も出ている」という記事も掲載された。

 米アップルがiPhoneを正式に発表したのは、2007年1月に米国で開催したイベントのジョブズCEOの講演。ジョブズCEOはそれを前に「日本で情報が漏洩していることに激怒し、ソフトバンクとのiPhoneに関する話はいったん白紙に戻った」(関係者)。孫社長はお詫びの気持ちなのか、誠意を見せるためなのか、「米アップルから招待されたわけでもないのに、iPhoneの発表会に押っ取り刀で駆けつけた」(同)。

 以降、どうしてもiPhoneを手に入れたい孫社長は、iPhoneについてメディア関係者に何を聞かれようが「ノーコメント」を貫き通し、水面下でNTTドコモとの獲得競争に肝胆を砕いて来た。その結果、孫社長自身の熱意と柔軟な経営方針、先行してアップルのパートナーとなった英ボーダフォンとの良好な関係も決め手となり、NTTドコモに先んずることが出来たようだ。

 iPhoneは、閉鎖的な日本の携帯電話業界にとって受け入れがたいビジネスモデルを突きつける黒船でもある。端末はアップルの直営店でも販売し、アップルは携帯電話事業者からiPhoneの通信料の一部を徴収することを条件としている。そのため、既にiPhoneを販売している世界各国の携帯電話事業者は、音声通信とデータ通信がセットになったiPhone独自の定額制料金プランを自社の料金プランとは別に用意している。

コメント3件コメント/レビュー

本題ではないですが、何が題名にある過去の「トラウマ」なんですか?マスコミに情報が漏れたこと?(2008/06/05)

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「念願のiPhoneを獲得した舞台裏
ソフトバンク、トラウマ乗り越える」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

本題ではないですが、何が題名にある過去の「トラウマ」なんですか?マスコミに情報が漏れたこと?(2008/06/05)

なるほど、という内容。ドコモ陣営はこの件に関して残念とコメントしているようだが、果たして垂直統合モデルを切り崩す努力をしたうえのことなのだろうか??(2008/06/05)

憶測部分が多すぎます。孫氏はトラウマなんて背負っていないし、単にiPhoneというブランドに一番高い値を提示しただけ、という話でしょう。よくできた製品かもしれませんが、既に販売済みの国において発売の都度肩透かしをさせてきたのは同じです。iPodが熱狂的にもてはやされている日本では事情が多少異なるかもしれませんが、それでも「iPodはiPodで別に欲しい」という人がやはり多いのでは。盛大にパケットを飛ばす料金プランになるわけですが、iPhoneだけを優遇した場合、例えばスマートフォン系メーカーもでしょうが、既存の定額プランで携帯を使っているユーザーに不平等感を与えて、逆にシェアを下げ兼ねません。日本において「も」諸刃の剣、ドコモは自発的に投げたと見ますが、孫氏のお手並み拝見といったところでしょうか。(2008/06/05)

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