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第8回 巨額負債の圧縮に、公的資金投入も

2008年6月13日(金)

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 4000メートルと3500メートルの2本の滑走路が平行に走る関西国際空港は、日本で最も優れた機能を備えている空港と言える。2本の滑走路は間の距離が十分にあるオープンパラレル型で、航空機が同時に離発着できる。規模も、ソウルの仁川や上海の浦東、ロンドンのヒースローといった名だたる国際基幹空港に匹敵する。

オープンパラレルの滑走路を持つ関西国際空港

 イタリアの建築家レンゾ・ピアノによる斬新なデザインが目を引く空港ターミナルビルも、流行のワンルーフ型でハブ空港に適した構造になっている。国際線の到着フロアが1階、出発フロアは4階が位置し、2階の国内線発着フロアを挟む。コンパクトなサンドイッチ構造になっており、乗客はエスカレーターで国際線から国内線へ、またはその逆と、簡単に乗り継ぐことができる。

今期は特損計上で赤字に

 2兆5000億円を超える巨費を投じて整備されてきた関空は、世界に向けた日本の空港政略において極めて重大なポイントをしめる。と同時に、関西経済復権の切り札として期待されてきた。

 しかし、前回の記事で検証した通り、関空は利用客や飛行機の発着回数が伸び悩み、経営は赤字体質から脱却できていない。2008年3月期の連結決算で見ると、営業収益は1061億円。成田の5割程度だ。

 そのうち航空関係の収益は461億円ほどで、肝心の着陸料となると、200億円程度しかない。政府からの90億円の空港整備特別会計を加え、かろうじて109億円の当期利益を上げているが、今期は資産売却に伴う195億円の特別損失を計上するため、赤字に転落する見込みだという。

関西国際空港の村山敦社長

村山 敦(むらやま・あつし)氏
1938年3月生まれ。61年京都大学法学部卒業、松下電器産業入社。95年同社取締役、97年同社常務、98年、同社専務、2000年6月同社副社長。2003年6月より関西国際空港社長、現在に至る
(写真:吉田 竜司)

 そんな関空が浮上する妙案はあるのか。前回に続き、関空問題について村山敦社長に聞く。松下電器産業6752出身の村山社長は2003年6月、初の民間企業出身として初めて関西国際空港社長に就任し、話題になった。松下電器の副社長時代は、中村邦夫社長(当時)とともに経営改革に取り組み、「V字回復」を成し遂げた名経営者として知られる。

 「関空に対してはこれまで、巨額の費用を投じて空港を建設した目的が、土木工事のためなどと、さんざん言われてきました。建築業者のために無理して空港を作った、と。しかし、空港は文字通りインフラ整備です。国民の意識としてそれをどうとらえるか、という問題ではないでしょうか」

 「昨今の空港問題は、成田をはじめ首都圏の空港ばかりを論じる傾向があるが、首都圏空港の容量不足は以前から分かり切っていたことであり、今になって遅いと言いたい。いまや日本の地方空港は、仁川空港のハブ&スポークスに組み込まれています。それも過去の空港政策の結果でしょう。仁川は韓国が税金を投じて戦略的な空港にした。空港というインフラ整備はそういうものなのです」

進む顧客離れ、4年前に営業本部設置

 村山氏は関空の社長に就任後、コスト削減を徹底。2005年3月期連結決算では1994年の開港以来、初の単年度黒字を達成した。だが、現実はそれほど経営状態が上向いているとは言えない。むしろ、オープン当初の日本航空(JAL)9205や全日本空輸(ANA)9202の欧米国際路線が相次いで撤退する。

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