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第10回 懐疑的なJAL、肯定的なANA

2008年6月27日(金)

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 チャンスかリスクか――。世界中の航空関係者が注目するオープンスカイをどうとらえるか、という点について、端的に言えば、見方はこの2つに分かれる。さて、日本の政策はといえば、先に本連載で紹介した当初の国土交通省の考え方は、「欧米流の本格的なオープンスカイ政策は必要ない」という方針だった。

 もとより、開放するには首都圏空港のキャパシティーが不足しているという難しさもある。が、さらに国交省の考え方の根底には、開放政策に打って出た場合、想定される日本の競争力への不安があるからではないだろうか。

 羽田空港の再拡張時、国際線発着枠を当初の3万回から6万回へ増やすなど、市場の要請に押され、方針転換しつつあるものの、やはり国交省には、まだまだ積極的にオープンスカイへ向けて政策の舵を切ろうという発想はない。

 過去、日本の航空業界は、他のアジア諸国を一歩も二歩もリードしてきた。米国に対する玄関口という点で、日本はアジアの中で地政学的に最も恵まれている国とも言え、今のところ、アジア域内での優位性は保っている。しかし、いざ本格的なオープンスカイ時代に突入するとどうなるか。

 アジアのローコストキャリアをはじめ、各国の航空会社が日本を主戦場にしのぎを削ることになるだろう。その競争に日本航空9205と全日本空輸9202が勝ち残れるか。そこに不安が残るから、思い切った政策を打ち出せないまま、逡巡しているように映るのである。

 では、翻って現場の国内航空会社は、こうした世界の変化や日本の政策をどう見ているか。今回は、JALとANAの担当者に聞きながら、オープンスカイへの双方の対応について検証する。

JAL――「採算の取れないところは飛べない」

成田空港を飛び立つJAL機

成田空港を滑走するJAL機

(写真:花井 智子)

 「まず第1段階として、昨年の『アジア・ゲートウェイ構想』に則り、首都圏空港以外の空港を開放していく。その次、2010年の羽田の再拡張後にどうしていくか検討する、というのが、現状の日本の航空政策だと思います。現状のオープンスカイでは、地方の空港が対象です。そうして考えた場合、我々としてはなかなか対応できません」

 「オープンスカイは聞こえがいいが、乗り入れと同時に撤退の自由もあります。とりわけ航空会社として、昨今の燃油高騰の中、採算の取れないところには飛べません。我々としては、ビジネス需要が少ないというのは致命的なのです。大阪の関空や中部でも同じです。結果、空港の弱肉強食が進むと考えています」

 JAL経営企画室の安部博史部長代理は、オープンスカイ政策についてそう分析する。

■ 日本航空の連結業績推移

 「航空の世界が自由化されれば、一般的には航空会社にとって競争が激化します。と同時に、ビジネスチャンスも広がります。2国間の航空交渉では、こちらが路線を開設すると言えば、先方にも見返りを与えなければなりません。それは路線の安定化にもつながります」

 「例えば、日韓の路線において、韓国内では大韓航空とアシアナ航空が争っているとします。すると、2社は採算が合わなくても、路線の権益を取るため、どちらも飛ばざるを得ない。2国間交渉の中では、そういうことがあります。しかし、オープンスカイになれば自由になるから、採算だけを考えればいい。ただし、いい時は就航しても、採算割れすれば簡単に撤退する。我々としては、地方の国際路線では採算が取れないため、就航できません」

 LCCのビバマカオは7月1日からマカオ-沖縄線を新たに就航させる。これで沖縄の人は開発が急ピッチで進むマカオに、香港経由などではなく直接、行くことができる。こうした新しい路線が生まれても、オープンスカイの下では、採算が合わなければ、航空会社はすぐに撤退するとJALの安部氏は言う。実際、JALは石川県の小松から韓国の仁川の路線を撤退している。JALは国内地方空港のオープンスカイに対応した政策はと取っていないという。採算面を考えるからだ。

首都圏空港以外の国際線には、関心低い

 つまるところ、JALは首都圏空港以外の国際線にはあまり関心がない。もっとも、海外の航空会社が日本の路線に参入する危機感はないか。とりわけ、ローコストキャリア(LCC)が参入した場合の脅威は感じていないか。また、その対策は何かあるのか。

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