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消え逝くグッドウィルの消えない傷

  • 児玉 博

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2008年7月4日(金)

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「サービス業界のコングロマリットを作り、日本のトップを目指したい。10年後には1兆円企業にする」

 自著『プロ経営者の条件』で折口雅博は「グッドウィル・グループ」の将来をこう描いてみせた。

 折口が夢みた1兆円企業。その夢の柱となるはずだったのが、折口が1995(平成7)年に創業した日雇い人材派遣「グッドウィル」だった。

 その「グッドウィル」の廃業が発表された。創業から13年、何かにつけ派手さが先行した折口の夢はあっけなく潰えた。

 グループ自体が存亡の危機に瀕しているグッドウィル・グループにあって、グループとの関係を一切絶った折口は今夏を目処に米国への移住を計画している。すでに家族すべてのグリーンカードも取得している。

 折口と近しい人間によれば、折口の米国移住は数年後の日本での経済活動復帰のための一時避難的な色彩が強いと言う。数年後、折口が座れるような席が残っていればの話である。

 消えゆくグッドウィル。そして日本を去る折口。しかし、グッドウィルが消えようが、折口が海外へ移住しようがある事案に残された疑惑が消えることはない。それはある買収劇にまつわる疑惑である。

 2006(平成18)年11月、グッドウィルは人材派遣の大手「クリスタル」を買収した。折口が1年前から密かに狙っていたこの買収によって、グッドウィルは売上高6000億円を超える業界トップの座を手に入れたのである。

 けれども、その過程をたどっていくと買収の裏側での折口の不透明な手法が浮かび上がる。うごめく怪しげな人脈、闇の紳士たちの跋扈。まるで底なし沼のようなありさまだ。

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