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シャープ急伸の陰に国美電器

中国に“ヤマダ流”拡大路線の家電量販店あり

  • 中島 募

  • 鈴木雅映子

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2008年7月8日(火)

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 北京五輪を目前に控えた中国のテレビ市場では、ソニー、サムスン電子、シャープのいわゆる「3S」がシェアを拡大している。中国市場には国内外を合わせて30社以上のテレビメーカーが参入しているが、3Sだけで市場シェアの24%を占めるという(ディスプレイサーチ調べ)。

 3Sの中でも、とりわけ急伸しているのがシャープだ。2007年の出荷台数実績は前年比3.7倍。金額で見たシェアも昨年末に10%を超えた。

始まりは小さな電器店

 シャープが中国で薄型液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」を販売し、本格的に中国のテレビ市場に参入したのは2002年のことだ。

 ライバルであるソニーが1980年代には既にブラウン管テレビ事業を中国市場で拡大し、着々と販路を開拓してきたことを考えると、出遅れ感は否めなかった。

 しかし、ここへきての快進撃。その陰には、ある家電量販店の存在がある。

 「シャープが中国で売り上げているテレビのうち、約6割をうちが販売しているんですよ。」

国美電器集団の李俊涛副総裁。仕入れ先メーカーとの交渉やマーケティングに関する責任者だ

国美電器集団の李俊涛副総裁。仕入れ先メーカーとの交渉やマーケティングに関する責任者だ

 こう語るのは、中国家電量販最大手、国美電器集団の李俊涛副総裁だ。6割という数字についてシャープはコメントしないが、販売チャネル別に見た場合、量販店比率が高いことは決して珍しくはない。中国の家電流通業界では、数社の量販店が富裕層の住む都市部に巨大な販路を築いているからだ。上海市や広州市では家電量販の大手2社である国美電器と蘇寧電器だけで、店舗数は100を超える。

 最大手の国美電器の場合、テレビの販売台数は世界で第2位。グループ全体で約1200店舗を構え、2007年の連結売上高は420億元(約6300億円)を超えた。強力な販売力を持つ量販店の手を借りずして、メーカーが広大な中国市場を攻めることは極めて難しい。

 国美電器とはどんな企業なのか。その成り立ちは1987年までさかのぼる。鄧小平氏が改革開放を唱えていた頃、広東省から上京した18歳の光裕・現会長が北京・天安門広場の近くに、80m2の電器店を開いたのが始まりである。

国美電器

 一気に成長路線に乗ったのは、上海や天津に店舗を増やした99年以降のことだ。2004年には香港株式市場で上場を果たし、大手量販店から小さな電器店まで買収を繰り返し、成長を続ける。経営理念は一貫した「薄利多売」。店舗数を増やすことが成長の絵を描き続けるための必要条件だった。

 その販売戦略に目を向けると、日本の大手家電量販店との類似点を数多く見いだすことができる。国美電器創業の翌年に、同社初の正社員として入社し、成長を共にした李副総裁はこう語る。

 「創業の頃から日本の家電量販店を視察し、各社の成功や失敗から多くのことを学んできた。我々は日本のヤマダ電機に似ている。ヤマダが強いのは、マーケットを見たうえで、迅速に顧客が集まる立地を押さえ、豊富な商品を安価に売っている点だろう。

 一方で、10年前は業界トップでありながら、現在は影が薄れつつある家電量販店はどうか。商品、価格、経営、店舗を市場動向に合わせて見直してこなかったからだと私は分析している。小売りに求められているのは、これらの調整力にほかならない。品揃えや店舗の立地を柔軟に変えていくことが経営の肝だと考えている」

 国美電器は販売力を武器に、メーカーから有利な条件で商品を仕入れている。「我々は消費者のニーズを調査し、市況に合った商品を提供するようメーカーに望んでいる。大量に商品を購入する代わりに価格を安くしてもらったり、こちらの要望に沿う商品を作ってもらったりしている。例えばシャープとは、今年8月に発売する新商品を、当社に優先的に卸してもらうことが決まっている」(李副総裁)。

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