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東証揺るがす中国の“黒洞”

アジア・メディア、渦中の前CEOが明かす資金流用

  • 北京支局 田原 真司

  • 小瀧 麻理子

  • 伊藤 暢人

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2008年7月9日(水)

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 資金黒洞――。企業などから巨額の資金が不正に引き出され、闇に消える事件のことを、中国ではこう呼ぶ。“黒洞”とはブラックホールのこと。こうした事件は、現地では珍しくない。

 このブラックホールに、日本の投資家が巻き込まれる事件が起きた。初の中国本土系企業として2007年4月に鳴り物入りで東京証券取引所に上場したアジア・メディアの崔建平・前CEO(最高経営責任者)が、会社の資金1億300万元(約16億円)を私的に流用していたことが発覚したのだ。

 同社の発表によれば、崔氏は子会社名義の定期預金を取締役会の同意を経ずに担保として銀行に差し入れ、自身が1994年に創業したIT(情報技術)企業、北京海豚科技発展(以下、海豚=イルカ)への融資を実行させた。さらに、海豚に指示してその資金を引き出したという。

4年前にも事件に関与

 16億円もの大金を、崔氏は何に使ったのか。実は、海豚は4年前にも別の“ブラックホール”事件に関与していたことが日経ビジネスの調べで分かった。そこに今回の事件を解くカギがある。

 2004年1月、上海証券取引所に上場するソフトウエア開発会社、新智科技(旧宏智科技)が、北京の証券会社に預け入れていた約3400万元(約5億3000万円)が消失したと発表。同社はその返還を求めて証券会社を訴えた。ところが昨年12月、裁判所の調停で和解が成立。その約6割について、証券会社ではなく海豚が返還すると合意した。海豚に資金が流れていたことが裏づけられたのだ。

 アジア・メディアと新智の事件は、海豚を介してつながっていたのではないか――。渦中の崔氏は6月30日深夜、北京で日経ビジネスの取材に応じた。そして、上述の返還資金を含め「海豚が新智に対して抱えていた多額の負債の返済に、アジア・メディアの資金を流用した」と認めた。

 取締役会の同意を得ずに預金を担保に差し入れたことについて、崔氏は、「社内規定に違反することは認識していた。しかし新智への負債を急遽返済しなければならない事情が生じ、時間がなかった」と釈明した。

 崔氏は2004年にアジア・メディアを創業する前に海豚を離れ、持ち株も売却したという。にもかかわらず、なぜ今、当時の借金返済を迫られたのか。

 「2002~03年に海豚の董事長を務めていた時、新智からソフトウエア購入の前払い金などを受け取り、不動産投資などに充てた。その投資に失敗し、負債を築いてしまった」

不動産投資の損失穴埋め

アジア・メディアの中国・北京事務所。対策会議が連日開かれている

アジア・メディアの中国・北京事務所。対策会議が連日開かれている

 つまり、自分が海豚を経営していた時期の不動産投資の損失を穴埋めするため、アジア・メディアの資金に手をつけたのだ。「私腹を肥やしたわけではない」と崔氏は強調するが、新智の前払い金も、アジア・メディアの預金も、企業の資産だ。崔氏にはその自覚が基本的に欠けていた。

 アジア・メディアは、中国でのテレビ番組情報の配信と、テレビ局の広告代理業を2本柱にしている。株主には電通、伊藤忠商事、NTTドコモの投資子会社など日本を代表する企業が名を連ね、東証上場で調達した約30億円で中国中央テレビ局、北京テレビ局など有力局の広告代理権を獲得した。

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