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第13回 1日2往復便の能登が元気な理由

2008年7月18日(金)

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 空港整備勘定というプール制会計により、これまで経営実態が明らかにならなかった日本の空港。多くの赤字空港は、航空会社への便数割り当てなど国土交通省の様々な指導で辛うじて国内路線を確保してきた。

 ところが、国際競争の流れに加え、昨今の燃油高騰が航空会社の経営を圧迫し、空港の経営環境に大きな影を落とし始めている。この秋に向け、日本航空(JAL)9205、全日本空輸(ANA)9202の2大キャリアが、ともに国内の路線の見直しに着手した。

経営再建中のJALでは、来年1月までに福島空港と伊丹、関空、那覇線の3空港の路線から全面撤退する方針を福島県に伝え、物議を醸している。また、関空―ロンドン・ヒースロー線や中部―福岡線などについても、今年度に廃止する方針を固めたという。

 一方のANAも、関西―札幌の減便を含め、国内だけで6路線前後を見直し、関空―グアムと中部―台北の国際線2路線を廃止する方向で検討している。今秋から来年に向け、JAL・ANA2社が廃止・減便をするのは、20路線前後に上る見込みだ。

 これらの路線見直しが、国内赤字空港の経営を直撃。1年で2倍以上に跳ね上がった燃油高騰は収まるどころか、この先さらに地方空港の経営の足を引っ張りそうだ。

前代未聞の搭乗率補償

 そんな経営の一大転機を迎えている地方空港において、唯一の優等生と評価されているのが、石川県の能登空港である。国ではなく、石川県が管理・運営している2000メートル滑走路1本の第3種空港だ。県内には、防衛庁が設置者となっている共用飛行場の小松空港があり、ここも1県2空港となっている。だが、他の地方空港に比べ、利用者は格段に多いという。

能登空港の滑走路の様子

(写真:花井 智子)

 「能登鉄道が廃止され、陸の孤島と化していた地元輪島にとって、能登空港に対する地元の期待は、それは大きかった。知事の思い入れもあり、地元を挙げて空港を応援してきたと言えます。その甲斐あって、今のところ羽田便の搭乗率もよく、なんとかうまく回っています」

 漆塗りで有名な輪島商工会議所の里谷光弘会頭(里谷組社長)がこう自慢する。人口3万3000人という過疎の輪島市では、年に500人ずつ人口が減っているという。能登空港は、地元の期待を背負って開港した。

 空港のオープンは2003年7月。定期便はANAのグループ会社、エアーニッポン(ANK)の羽田線が1日2往復便しかない。が、全国の地方空港でも類を見ない成功例だと言われる。その理由は、搭乗率補償という誘致策にあるという。

 石川県はANAの就航に際し、搭乗率(全座席数に占める搭乗数の割合)の7割達成を条件として提示し、路線を誘致した。前代未聞の誘致策と言える。結果、初年度の搭乗率は70%を超え、今も順調に利用客を確保しているという。

空港ができたからといって、航空会社は飛ばさない

 能登空港成功の秘訣について、石川県の谷本正憲知事に聞いた。

谷本正憲・石川県知事

 「能登半島には年間700万人の観光客が訪れます。観光は地元にとって貴重な産業です。しかし、半島なのでなかなか行きにくい。特に従来の小松空港を使って東京から能登へ行くには6時間もかかります。帰りも6時間かかるとなると、なかなか来てもらえません。首都圏から観光客を呼ぶためにはどうすればいいか。それには空港を建設するしかなかったのです」

 谷本知事は自治官僚から1994年3月に石川県知事に就任。既に4期目になるベテラン知事だ。能登空港は知事就任2年後の96年の第7次空港整備5カ年計画に基づいて国交省が推進しているが、谷本知事にとっては10年以上かけて計画、立案し、実現させた空港と言える。それだけに、空港の話には熱が入る。

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