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サブプライム余波、ついにマンション業者に波及

中堅デベロッパー、ゼファーが撃った淘汰の号砲

2008年7月23日(水)

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 「えっ、それ本当」

 東証1部に上場する中堅デベロッパー、ゼファーが民事再生法の適用を申請した7月18日。「ゼファー破綻」の一報を聞いたある不動産会社の社長は、電話口でしばし絶句した後、こう続けた。「やっぱりなあ。なりふり構わずって感じだったもんなあ」。

 この社長は6月上旬、ある仲介不動産会社を通して、ゼファーの所有物件の購入を打診された。160前後の物件情報が記載されていたA3版のリスト。「いくらでもいいから、とりあえず検討してほしい」。仲介の不動産会社が勧めるままに目を通したが、その中身を目にした途端、買う気が失せた。

 北海道・ニセコスキー場のホテル用地、埼玉県鴻巣駅前の再開発――。「もう郊外や地方ばかり。少なくとも、私がマンション適地と思える用地はほとんどなかった」。ちなみに、この社長が唯一、「○」をつけたのは東京都江戸川区の物件。都内一等地の優良物件とは言えない代物だ。

なりふり構わぬ資産の叩き売り

 この数カ月、ゼファーの資金繰りは綱渡りの連続だった。2008年3月期に1091億円の売り上げを計上したゼファー。そのうちの半分は不動産分譲事業だが、残りの4分の1は不動産流動化事業による売り上げである。この不動産流動化事業、かみ砕いて言うと、開発用地を仕込み、収益物件を開発し、不動産ファンドに売却するというビジネスモデルだ。

 多くの場合、「完成予約」という形でできる前から売却先が決まっており、不動産会社にはリスクの少ないビジネスと言えた。ところが、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に端を発した信用不安問題が起きた昨夏以降は、状況が一変した。特に、金融機関による融資姿勢が厳しさを増した年明け以降、ファンドに対する融資の蛇口がギリギリと絞り込まれている。それが、ゼファーを追いつめた。

 もともと、ゼファーは手元流動性に乏しい。2008年3月期における連結の手元流動性は約144億円。それに対して1年以内に返済する借入金や社債、コマーシャルペーパーなどの短期の有利子負債は約550億円に達する。連結フリーキャッシュフローが260億円の赤字に陥る中、頼みの綱は1000億円を超える在庫の処分が進むこと。

 だが、サブプライムの余波でファンドに対する金融機関の融資が縮小した結果、ファンドに売却予定だった物件が売れず、開発案件の資金回収に時間がかかり始めた。年明け以降は不動産融資に対する審査そのものが厳しくなり、ゼファーにとっては新規の開発プロジェクトも進めにくい環境になってきた。

 そこにきて、5月30日には連結子会社の近藤産業が破産を申し立て、約140億円の関係会社整理損を計上した。8月には128億円の社債の償還を、そして今期中に約180億円に上る長期借入金の返済を控える。急速に悪化する資金繰り。ゼファーはなりふり構わぬ資金調達に出ざるを得なかった。

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「サブプライム余波、ついにマンション業者に波及」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師