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第14回 欧州の小国に学ぶ強い空港の作り方

2008年7月25日(金)

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 仏パリのシャルル・ドゴール、独のフランクフルト、蘭アムステルダムのスキポール、英ロンドンのヒースロー、そしてルクセンブルク空港。EU(欧州連合)における国際貨物取扱高ベスト5の空港だ。このうち上位の4空港は欧州を代表する空港といえる。だが、5位につけているルクセンブルク空港については、日本ではあまり馴染みがないのではなかろうか。

 ルクセンブルクはオランダ、ベルギーと経済同盟を結んだベネルクス3国の1国として知られる。欧州のほぼ中心に位置するEUの原加盟国だが、人口はわずか46万人の小国である。国土の面積は神奈川県と同じくらいしかない。だが、4億5000万人の欧州消費市場を背景にした貿易国として、国民1人当たりのGDP(国内総生産)は、世界トップレベルの豊かさを誇る。そうした経済発展の原動力となってきたのが、EU第5位の貨物量を扱うルクセンブルク空港なのだ。

 2008年3月のACI(世界航空協会)の最新統計によれば、ルクセンブルク空港の貨物の年間扱い高は85万6740トン。世界でも23番目に位置し、24位の羽田国際空港の85万1551トンや25位の関西国際空港の84万5996トンを上回っている。いわば人口46万人の小国の空港が、ここまでの規模に発展したのはなぜか。そこには、それなりの理由がある。

目的地になれない不利を、有利にする

 「ルクセンブルク空港が発展した理由は、乗客向けではなく貨物基地として空港を特化させたからだと思います。ルクセンブルクそのものはマーケットとしては小さく、乗客にしても貨物にしても輸送の目的地にはなりません。そのため貨物のハブ空港を目指したのです」

 「そうしてEU向けの世界中の貨物を取り扱ってきました。ナショナルフラッグキャリア『ルックスエアー』グループの貨物航空『カーゴルックス』が、世界中から集まってくるEU向けの貨物をルクセンブルク空港へ空輸し、そこからトラックで各国へ運んでいます」

 ルクセンブルク経済開発局貿易投資東京事務所の松野百合子エグゼクティブディレクターが、こう説明する。

 「日本ではあまり認知されていませんが、国の政策としてこの貨物のハブ空港化を後押ししてきたのです。例えばカーゴルックスがA国との路線開設を要望しているとする。すると、ルクセンブルク政府が相手国と航空交渉をし、路線を結ぶ。そうして国と航空会社が一体となり、路線を開拓してきました。その結果、ルクセンブルク空港は貨物取扱高EU5位の国際空港に発展してきたのだと自負しています」

 人口46万人の国といえば、鳥取や佐賀など過疎に悩む地方の県より少ない。それでいて、首都空港は国際基幹空港として立派に機能しているのだ。まさしく、何の戦略もなく建設されてきた揚げ句、経営難に陥っている日本の地方空港とは好対照だ。いまや赤字の国内路線に頼ってきた多くの空港は、減便や路線の廃止に怯えている。

コメント5件コメント/レビュー

輸送手段と方法は、誰のためにあるのか?原点に立ち戻って考えて欲しいと思います。利用者にとって、コストと利便性が良いCargoLuxの扱い量の多さは当然と思います。24時間使えない大空港や夕方到着しても、当日通関したくない税関とか。廃止を前提に、新しい空港をオープンさせたら廃止は困るとか。作ったもの勝で、赤字がはっきりしているのに必要だと声高に叫ぶ人達とか。空港は、以前と違って特別な移動拠点ではなくなったのに、利権のオンパレードでは、本来の利便性が泣くというものです。何時になったら、成田・羽田、伊丹・関空・神戸空港の、ダッチロールは続くのでしょうか?今後も期待しております。(2008/07/25)

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いただいたコメント

輸送手段と方法は、誰のためにあるのか?原点に立ち戻って考えて欲しいと思います。利用者にとって、コストと利便性が良いCargoLuxの扱い量の多さは当然と思います。24時間使えない大空港や夕方到着しても、当日通関したくない税関とか。廃止を前提に、新しい空港をオープンさせたら廃止は困るとか。作ったもの勝で、赤字がはっきりしているのに必要だと声高に叫ぶ人達とか。空港は、以前と違って特別な移動拠点ではなくなったのに、利権のオンパレードでは、本来の利便性が泣くというものです。何時になったら、成田・羽田、伊丹・関空・神戸空港の、ダッチロールは続くのでしょうか?今後も期待しております。(2008/07/25)

関空と小松のいきさつを始め知らなかったことばかりで衝撃でした。ルクセンブルグなど他国に学ぶまでもなく、目にも明らかな失政、官製不況そのものです。燃料高騰で不採算路線を廃止する航空会社の動きにあわてふためく自治体や地元経済団体ですが、その発想や体質の貧しさに呆れ果ててしまいます。民間企業に、赤字や非効率を押しつけてすがりつくような行政府とはいったい何なのでしょう。かつては、許認可や補助金、公共事業(いずれも元をただせば国民の税金)をふりかざして自らの都合のよいようにしていたのでしょう。何をすべきかは明らかなのに、どうしてそうならないかを先に考えなければならないことが我々の悲劇です。(2008/07/25)

このシリーズでも浮き上がるのが、官僚の自己保身。日本の全ての経済活動も、医療・福祉も、その他もろもろの停滞の原因はこの国の官僚にあると言っても過言ではない。独立行政法人と称する組織への移行も、社保庁解体、年金機構の設立も、そして消費者庁の新設も、すべからく官僚の権益保全手段にしかならないというこの国の悲しさ。何とかするのは選挙しかないのだろうけれども、それでは遅すぎる気もする。(2008/07/25)

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