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ケータイ市場、歴史的な失速

iPhone人気の裏で静かに進む構造変化

  • 鈴木雅映子

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2008年7月29日(火)

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 「少しでもいい。iPhone(アイフォーン)で市場が動かないか」

 すがるような思いをあらわにするのは、携帯電話を販売する代理店の社員。7月の3連休に東京都内の携帯電話販売店を覗くと、客足はまばら。「新機種も多数取り揃えてます」と言葉を発する店員のかれた声だけが、空しく街頭に響く。夏商戦を迎え例年なら活気に満ちる時期だが、今年は違う。

販売台数25%減少の衝撃

携帯の販売台数は25%減る見通しに

 調査会社IDCジャパンの調査や、販売代理店やメーカーなどの話を総合すると、今年4~6月の携帯電話の国内販売台数は前年同期比で約25%落ち込んだもようだ。販売方法の変化が販売台数の減少をもたらすと予想されてきたが、減少幅の予測はせいぜい5~10%程度。実際はこの想定を大幅に下回る衝撃的な水準になったようだ。

 「各社ともほぼ同じ割合で販売台数を減らしている。現在の状況が続けば、今年は4000万台まで落ち込む」(IDCの木村融人シニアマーケットアナリスト)との見方も出ている。カメラ付き携帯の発売で大幅増となった前年の反動で減少に転じた2004年を除けば、歴史的な失速とも言える。

 昨年は通信各社が料金競争を繰り広げ、国内販売台数は史上最高の約5000万台。その市場が1年で1000万台以上剥げ落ちれば、端末製造業界は4000億~5000億円の減収、販売代理店も300億円の減益と予測される。

 これほど販売台数が落ちた第1の要因は、携帯電話の販売方法が変化したことだ。通信事業者が新規契約を取るために出していた販売奨励金を、総務省のモバイルビジネス研究会が問題視。「短期間で買い替える消費者とそうでない消費者に不公平感が生じる」と答申を下した影響が大きい。

 その結果、通信各社は料金と端末価格を分離し、端末価格を割賦で販売する方法を導入した。店頭では「ゼロ円」で購入できる機種が激減し、割賦制を選んだ消費者は1~2年間は端末の買い替えがしにくくなったのだ。

 確かに公平性は改善したが、携帯業界は予想以上の打撃を受けた。「端末に値頃感が薄れ、『買い替えがしにくくなるのであれば、気に入った端末が出るまで待とう』と、消費者が買い控えし始めた」(IDCの木村氏)のだ。

 第2の要因として、iPhone以外には特徴が際立った端末が新たに発売されていないことも考えられる。

 今後もこの低水準が続くと見るのは時期尚早と言うアナリストもいるが、販売台数の大幅な減少は早晩、端末メーカーや販売代理店に事業戦略の見直しを迫ることになるだろう。

既存のビジネスモデルは限界

 販売代理店や端末メーカーはモバイルビジネス研の答申が出る前から、独自の経営改革を進めてはいた。携帯市場が成熟期を迎え、中長期的に販売台数が減るのは必至だからだ。販売代理店は端末販売以外の収入源を探り、端末メーカーも、開発部品の共通化を図り収益性を見直してきた。だが、各社とも市場の失速がこれほど早く来るとは予想していなかったはず。今回の販売不振は、各社の改革のシナリオを検証するリトマス試験紙になりそうだ。

 象徴的なのは、端末メーカーや代理店が独自に進めてきた改革には限界があり、通信事業者と一段と連携して進めなければならないという事実だ。

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